(86)一人一人がブランドを背負って

ピーチ・アビエーションコミュニケーション本部長 百目木直人氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 ピーチ・アビエーションコミュニケーション本部長 百目木直人氏
新聞発行日 2019年1月31日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
百目木直人(どめき・なおと)
 1996年大学卒後、中国留学。98年アリタリア-イタリア航空に入社し、アジア太平洋地区管理本部、日本・韓国地区広報。2003年ダイムラー・クライスラー日本(現メルセデス・ベンツ日本)広報部。11年ピーチ・アビエーションに移り、マーケティング部長、広報部長などを経て18年から現職。


─2018年度中にバニラ・エアと統合します
 LCC(格安航空会社)国内2位のピーチと同3位のバニラ・エアはともにANAホールディングス(HD)の子会社です。ピーチ・アビエーションは関西国際、那覇、仙台、新千歳空港を、バニラは成田国際空港を拠点にしています。両社の重複路線は2路線のみですが、サマーダイヤ期間(3月31日~10月26日)にバニラの路線や便数を段階的に縮小し、ピーチはバニラの路線網を引き継ぎます。統合後はピーチにブランドを統一、アジアのリーディングLCCを目標としています。


─統合のメリットは
 ピーチは国内16路線、海外は韓国、中国、台湾、香港、タイに15路線就航しています。統合によって、将来的に国内線と国際線合わせて50路線以上の規模にします。国際線の利用客は7割以上が外国人で、約3000万人(20年に同4000万人、30年に同6000万人)といわれる訪日外国人旅行者を日本各地に案内できる路線網が構築できます。ピーチのピンク色の機体は女性に人気が高く、利用客の6割は女性、うち半数以上を20~30代が占めています。20年春までにバニラの機体もすべて、ピーチの機体に塗り替える計画です。


─統合の記者発表には100人以上が集まりました
 昨年3月、ANAHDの片野坂真哉社長、ピーチの井上慎一CEO(現バニラ・エア社長兼務)らが出席し、都内のホテルで会見しました。20年の東京五輪・パラリンピックに向けて、激化する海外LCCとの競争に勝ち抜くためには、このタイミングでの統合がベストだったことなどを説明しました。


─広報体制は
 コミュニケーション部門では広報のほか、ブランドマネージメント、カスタマーリレーション、マーケティングコミュニケーションなどを担当しています。8人いる広報は、メーカーや製薬会社、ホテル、テーマパークなどの広報経験者が中心で、一つの業務を任せられるスタッフばかりです。本社機能が関西国際空港にあり、コスト削減で就航先の都市に支店などを置いていないことから、広報が札幌や台湾のメディアと会う際には飛行機で移動します。ほとんどのスタッフが毎日、国内外を飛び回っており、毎週火曜日だけは情報共有の日として、そろって打ち合わせをしています。統合で社員数が約1000人から約1650人になるので、社内コミュニケーションにも力を入れていきます。


─今後の課題は
 関西国際空港が拠点だったため、関東地区での知名度があまりありません。統合後は成田空港にも拠点ができ、社名を全国区にしたいと思っています。低価格ということだけでなく、生活に合わせた深夜便、早朝便の活用などLCCの使い勝手の良さを理解してもらえる広報活動を展開していきたいと思っています。メディアの記者とはフェース・ツー・フェースでの対応が重要です。一人一人がピーチの ブランドを背負って接していくことが大切だと、恒にスタッフに伝えています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)