(85)「よく生きる」の実現を目指して

ベネッセホールディングス 広報・IR部長 坂本香織氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 ベネッセホールディングス 広報・IR部長 坂本香織氏
新聞発行日 2019年1月17日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
坂本香織(さかもと・かおり)
 1994年お茶の水女子大文教育学部卒、第一生命保険に入社し、融資業務部など担当。を経て96年ベネッセコーポレーション(現ベネッセホールディングス)入社。中学講座事業部、財務・IR室、経営企画部などを経て2004年広報・IR部。14年ブランド・広報部副部長。16年から現職。


─企業理念が社名になっています
 前身の福武書店は、1955年に創業者の福武哲彦が、岡山市で中学向けの図書や生徒手帳の発行をしたのが始まり。95年には、社名をベネッセコーポレーション(現ベネッセホールディングス)に変更をしました。ベネッセは、ラテン語で「よく生きる」という意味です。「赤ちゃんからシニアまで、一人一人の『よく生きる』の実現を支援する」という企 業理念を社名に掲げ、「人」を軸にしたグローバルな事業展開を図ることを明確にしました。現在は、国内教育▷グローバルこどもちゃれんじ▷介護・保育▷ベルリッツ-など、主に4つの分野で事業を展開しています。


─中期経営計画(2018~2022年度)が2年度目に入ります
 「変革と成長」をスローガンに、売上高を17年度の4,344億円から20年度に5,000億円に、営業利益を126億円から350億 円に拡大するのが目標です。14年の個人情報流出事件では多くの方にご迷惑をおかけし、主力の通信教育事業の業績が落ち込みました。その後、お客さまに選んでいただける商品の開発や営業活動に全力で取り組み、回復から成長段階に入っています。20年度に始まる戦後最大の教育・入試改革、少子高齢化の加速など、外部環境の変化も、大きな事業チャンスと捉えています。


─入試改革に伴う対応は
 大学入学共通テストの英語が、「読む」「聞く」「書く」「話す」の、4技能評価になります。小学校でも、20年度には高学年で英語が教科化されます。4技能を身に着けてもらうため、「進研ゼミ高校講座」では、外国人講師によるマンツーマンのオンラインスピーキングレッスンを開始。19年度には、小学講座、中学講座、高校講座で、個人の実力に合わせて学習ができる英語4技能のトレーニング教材を導入する予定です。


─広報活動の基本は
 教育や介護事業などの具体的な取り組みに加え、志を持って現場で働く社員の姿を伝えることが重要と考えています。企業理念は社員が形にするものです。社員を通じて商品・サービスの背景にある当社の思いや姿勢を発信したいと思っています。広報・IR部は、広報、インナーコミュニケーション、IR、株式管理の4課があり、メンバーは私を含めて18人です。4つのチームが境界線なく情報共有をして、お互いのコンテンツを活用して発信することで、よりタイムリーで分かりやすいコミュニケーションができると考えています。


─「ベネッセアートサイト直島(なおしま)」での活動も企業理念を反映しています
 30年前、世界中の子どもたちが集える場所を」と、瀬戸内海の直島での活動を開始しました。直島国際キャンプ場、ベネッセハウス、地中美術館のオープンなど、地元と連携し、現代アートを生かした地域活性化を、地域と連携して進めてきました。島でのアート作品との出合い、瀬戸内の風景や地域の人々との触れ合いを通じて、「ベネッセ-よく生きる」とは何かを考えてもらえたらと思っています。これも、一つの広報活動です



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)