(84)未来への期待感生む取り組み

東武鉄道広報部長 髙月京子氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 東武鉄道 広報部長 髙月京子氏
新聞発行日 2018年12月20日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
髙月京子(たかつき・きょうこ)
 1994年武蔵大人文卒、東武鉄道入社。総合企画室、東武ホテル出向、総務部広報センター(現広報部)、社長秘書などを経て、2013年広報部課長、18年1月から現職。


─総営業キロ数は463.3キロメートルで関東地方で最長です
 東武鉄道は、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬の1都4県にまたがり、JRを除く私鉄では第2位の長さです。設立も古く、1897(明治30)年と古く、産業路線として日本の近代国家の興隆を支えてきた歴史があります。1日平均252万人の旅客を輸送し、連結子会社数は83社です。


─2020年を最終年度に中期経営計画が進んでいます
 東京五輪・パラリンピックとその後を見据えた事業の種まきと育成、急伸するインバウンドの取り組みのため、17年にスタートしました。浅草・東京スカイツリー▷日光・鬼怒川▷池袋▷銀座・八重洲・湾岸-の4つのエリアに重点投資し、集客と利益向上を図ります。


─具体的には
 浅草・スカイツリーエリアでは、両地区間のにぎわいを生むことで回遊性を高めるのを狙いに、鉄道高架下開発や官民連携の北十間川周辺空間整備などに取り組み、東京最大の観光拠点を目指します。将来的には社有地を活用した再開発や、行政と連携したターミナル周辺のまちづくりも視野に入れています。世界遺産と雄大な自然が楽しめる日光・鬼怒川エリアでは、新型特急「リバティ」を増やすとともに、20年開業の「ザ・リッツ・カールトン日光」による上質な宿泊施設提供を通じ、「歴史・文化・伝統と自然が共生する通年型リゾート」を実現します。


─東武鬼怒川線のSL「大樹」が話題です
 鬼怒川線は、栃木県内の野岩鉄道、福島県の会津鉄道とつながっていて、観光客は湯西川温泉や大内宿、会津若松へと足を延ばすことができます。当社沿線の活性化はもちろん、東日本大震災の震災地復興のお役に立ちたいと、17年8月から下今市-鬼怒川温泉間で、週末を中心に1日3往復運行しています。SL復活にあたっては、趣旨に賛同いただいた全国8社の鉄道事業者から、車両などを寄与、譲渡してもらったほか、検修員や乗務員の養成でも大変お世話になりました。一地域の取り組みながら、この協力態勢のおかげで、全国メディアや各社の地元紙でも取り上げられ、話題になりました。


─広報体制は
 メンバーは28人。報道、刊行物、CS(顧客満足)・広聴、環境の4つのチームがあり、お客さまセンターを加えると総勢42人体制です。報道は、国土交通省や沿線自治体の記者クラブとの関係構築に努めています。社員の仕事への思いを“見える化”し、当社ヘの理解を深めてもらおうと始めたCS のポスターシリーズ「人のために、ひとつひとつ。東武鉄道」は、22作目を数えました。過去のポスターは全て当社HPで見ることができ、「キャッチコピーを読んで元気が出ました」と喜んでもらうなど、社員の励みになっています。


─課題は
 今年、創業121年目を迎えました。地域社会と歩み、これからの100年も評価されるには、東武グループとして何ができるか。鉄道を軸に発展してきた当社には、社会に貢献したいとの思いがあります。広報部門も、こうした企業姿勢を分かりやすく打ち出し、未来の東武鉄道への期待をつないでいきたいと考えています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)