(74)事実をぶれずに繰り返し発信

住友ゴム工業 広報部長・牧野久美子氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 住友ゴム工業 広報部長・牧野久美子氏
新聞発行日 2018年7月19日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
牧野久美子(まきの・くみこ)
 1985年東京女子大文理学部卒、電機メーカー入社。広報部、渉外部、ボストン大留学(MBA取得)などを経て2012年住友ゴム工業入社。広報部課長、14年広報部長兼東京総務部長。17年から現職。


─ダンロップスポーツと経営統合しました
 今年1月、ゴルフやテニス用品を手掛ける子会社のダンロップスポーツと経営統合し、住友ゴムのスポーツ事業本部として新たにスタートしました。昨年4月には、英国企業から海外のダンロップ商標権を取得、スポーツ、産業用事業では、世界中でダンロップブランドを使用できるようになりました。スポーツ用品を通じて伝統ブランド「ダンロップ」のイメージを高め、タイヤと産業品事業の拡大と発展につなげていきます。


─2022年に向けた新中期計画を発表しました
 18年度が初年度の5カ年の新たな中期計画は「海外で利益を上げる体質にシフトする」ことが目標です。しかし、昨年の海外売上比率は約6割、利益比率は約4割でした。国内中心の利益体質から脱却できておらず、12年策定の「VISION2020」が目指す、「高収益・高成長の真のグローバルプレイヤーになる」という企業像の達成は、道半ばです。22年には、海外の売上比率、利益比率ともに7割以上を目標に、海外シフトを強化していきます。


─方策は
 一つは、欧米事業の拡大です。これまでは、日本、アジアを基盤に新興国市場で事業展開、収益向上を図ってきました。今後は米州、欧州・アフリカ地域で、取り組みを加速させます。2つ目は、100年に1度といわれる自動車産業の大きな変革期に対応し、従来にない新タイヤを開発する技術開発コンセプト「SMART TYRE CONCEPT」の推進です。そして3つ目は、ダンロップブランドの活用です。グループの全てのリソース(ビジネス資源)を活用し、ダンロップブランドの価値向上と事業の最大化を図っていきます。


─5月にスロベニアで新工場の起工式がありました
 19年春の稼働予定で、点滴の輸液用バッグ向けなど、医療用精密ゴム部品を製造する拠点です。スロベニアの首相、経済産業相ら政府関係者と、当社の池田育嗣社長ら約30人が出席。首相から、「高い技術を持った企業の進出は、経済発展などに貢献してくれるもので感謝したい」との言葉をいただき、地元の多くのメディアに紹介されました。


─テレビCMが好評です
 イメージキャラクターとして10年目となる俳優の福山雅治さんを起用したテレビCMが好評で、社員も元気をもらっています。「ダンロップ『ブランド』篇」では、タイヤを「TIRE」ではなく、「TYRE」と綴(つづ)るように、「常に『I(自分)』ではなく『You(あなた)』を想い、タイヤ作りを続けてきたDUNLOPの変わることのない想い」を伝えています。


─広報体制は
 広報部のメンバーは、私を含めて10人です。東京(6人)では、メディア対応と企業広告の展開、アナリスト説明会の開催などを担当。神戸(3人)ではメディア対応に加え、グループ報「PLUS」の発行などを担当しています。メディア対応は、会社を代表して言うべきことをどう記者に伝え、理解してもらえるかが難しいところです。事実をぶれずに繰り返し説明すること、また、日ごろのコミュニケーションを通じ、住友ゴムをよく知っていただくことが大切だと思っています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子 2018.8.3更新)