(108)真のグローバル化をめざす

TDK 戦略本部広報グループゼネラルマネージャー・熱海一成氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 TDK 戦略本部広報グループゼネラルマネージャー・熱海一成氏
新聞発行日 2019年12月20日(金)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
熱海一成(あつみ・かずしげ)
 1981年慶大法卒、東京電気化学工業(現TDK)入社。大阪支社電子部品営業グループ、東京本社電子部品営業グループ、TDKコーポレーション・オブ・アメリカ(シカゴ、サンディエゴ)、帰国後、電子部品営業グループ営業企画統括部などを経て、2017年から現職。


─体感型ショールームを新設されました
 2018年11月に本社を日本橋(東京都中央区)に移転した際、TDKグループの新たな情報発信基地として、来社されたお客さまに TDK をより深くご理解いただけるよう、“体感型”ショールームを新設しました。タッチパネルによる企業紹介や、3Dアニメーションによる製品紹介、ワイドスクリーンシアターでご覧いただけるブランディングムービーを通してTDKグループの 製品が可能にする未来のイメージを伝えています。ブランディングムービーはホームページやSNSなどでも配信しており、学生にはTDKという社名を知ってもらい受けてみようと思ってもらえたら、また若いエンジニアには、TDKはこんな技術を持っているということを理解してもらえたらと思っています。


─TDKが創造する未来を表現した大型パネルが圧巻です
「Attracting Tomorrow」、つまり「未来は待つものではなく、自分たちの意思と努力で引きせというもの」というコミュニケーションメッセージの下、当社が得意とするIoT(モノのインターネット)、自動車、医療、通信(5G=第5世代移動通信システム)、再生可能エネルギー、ロボット、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)の7つマーケットを紹介。当社の電子部品や電子デバイスが今後どう活用され、幸せな未来社会を引き寄せるのかを紹介しています。


─具体的には
 IoTの分野では、遠隔地や離島への医薬品の運搬など、社会的使命を負ったドローンに7軸の「MEMSセンサー」を搭載し、安定したフライトと正確な位置情報を通じて、世界のあらゆる場所で重要な任務を果たすドローンを支えていきます。自動車の分野では、モーションセンサーにより自動車を目的地まで誘導するための加速や方向データに加え、万が一の故障時には道路脇へ安全に車両を誘導。自動車運転技術を支え、交通渋滞や事故のない安全な社会に貢献していきます。


─これらの技術、製品を理解してもらう取り組みは
 展示会の出展に力を入れています。毎年、大きな展示会が3つあります。IoT分野の国内最大の展示会「シーテック」、米ラスベガスで開催される「セス」、ドイツ・ミュンヘンでの見本市「エレクトロニカ」です。このほか国内外で毎月のように展示会があり、広報メンバーが会場に出向くこともあります。


─広報体制は
 広報グループは、IR、PR、ER、BC(ブランド・コミュニケーション)の4チームから成り、メンバーは15人前後です。欧米や中国にも広報機能があり、主要国にリーダーが1、2人。全世界でコアになる者が約15人います。毎年1回程度、東京本社で「グローバル会議」を開催し、情報交換を行っています。現在、従業員数はグローバルで約10万人。海外従業員比率は90%を超えます。それだけに、日本語、英語、中国語の3種類の社内報「TDK Times」(季刊)を通じて、情報共有を図っています。


─世界陸上競技選手権大会に協賛しています
 1983年の第1回ヘルシンキ大会から、オフィシャルパートナーとして協賛してきました。記録と自己へのあくなき挑戦を続け、未来を引き寄せようとしているアスリートへの支援をしたいという思いと、独自の技術で未来を引き寄せるテクノロジーを生み出し、社会に貢献していくTDKの会社としての姿勢に共通するところがあるからです。今年の世界陸上競技選手権大会では、開催地のカタール・ドーハに行きました。男子選手がゼッケンにTDKロゴを表記するなど企業ブランディングという面でも大きな効果がありました。


─今後の課題は
 広報は経営戦略にも大きく関わってきています。TDKグループ約140社を束ね、同じベクトルに向けていくことが必要です。数字上のグローバルではなく、真のグローバル化を目指していきたいと思います。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)