(76)経営陣との信頼関係を大切に

コスモエネルギーホールディングス
コーポレートコミュニケーション部長・高木勢伊子氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 コスモエネルギーホールディングス
コーポレートコミュニケーション部長・高木勢伊子氏
新聞発行日 2018年8月30日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
高木勢伊子(たかぎ・せいこ)
 1991年東京外国語大外国語学部卒、コスモ石油(現コスモエネルギーホールディングス)入社。輸入部、総務部、経営企画部IR室などを経て、2008年コーポレートコミュニケーション部IR室長。15年から現職。


─第6次連結中期経営計画が進んでいます
 2022年度が最終年度の5カ年計画で、スローガンを『Oil&New 石油のすべてを。次の「エネルギー」を。』としました。
 石油のすべてを引き出し、次のエネルギーへ踏み出そう、という意志を込めています。石油需要は電気自動車(EV)の普及などによって減少が続くものの、30年頃までは健全です。次のエネルギーに踏み出すため、基盤の石油開発、石油精製・販売、石油化学事業でしっかりと稼ぎ、再投資可能な利益を上げていきます。


─次のエネルギーとは
 脱化石燃料の動きをにらみ、石油関連事業の競争力を強化しつつも、風力発電をはじめとする再生可能エネルギー事業を将来を支える新たな柱にしていきます。環境対策などで風力発電事業の市場拡大が見込まれており、10年に子会社化した風力発電会社エコ・パワーで、発電能力の増強を図っています。また、いずれは国内陸上風力の適地が頭打ちになることから、21年度をめどに洋上風力発電事業を開始し、洋上風力のリーディングカンパニーを目指します。
 石油会社に入社しましたが、同じエネルギーでも業容は大きく変わりました。世の中にこの変貌を分かりやすく発信していくことが、広報の使命だと思っています。


─コーポレートコミュニケーション(CC)部の体制は
 メンバーは総勢10人です。メディア対応、広告宣伝、ブランド管理、社会貢献活動を担う広報ブランド戦略と、IRの2グループで構成しています。
 ミッションの一つは、コスモのファンづくりです。メンバーは、コスモの魅力を伝える伝道師で、それが企業価値の向上に結び付きます。二つ目は、社外の目を持つこと。外から見える姿を、経営陣に伝えることが大切です。耳の痛い話もあるかもしれませんが、言いづらいことを進言するのも、私たちの役目です。


─環境問題にも積極的に取り組んでいます
 JFN38局と、「アースコンシャス アウト~地球を愛し、感じるこころ」をテーマに、地球環境の保護と保全のメッセージを呼び掛けていく活動を展開しています。その一つ、「クリーン・キャンペーンin Mt.FUJI」は、毎年夏に全国のパーソナリティーとリスナーが一堂に会し、アルピニストの野口健さんと一緒に、富士山周辺の清掃活動とエコトレッキングを行うイベントです。10歳以上~68歳までが対象で、毎回150人前後が参加し、その9割以上の方に「また参加したい」と言ってもらえるなど、18年継続してきた重みを感じています。


─今後の課題は
 「コスモ石油」というブランドをこれまで以上にしっかりと浸透させ、企業価値向上につなげていきたいと思っています。日経BPが実施した「環境ブランド調査2018」では、昨年の20位台から10位へと順位を上げ、社員の励みになっています。もう一点は、ESG(環境、社会、企業統治)情報の開示の充実です。ESG投資の高まりから、非財務情報の開示が重視されています。温室効果ガス排出量の削減、ダイバーシティの取組み、安全操業・安定供給、リスク管理・コンプライアンスの徹底などについてしっかりと訴求し、株式市場から見ても魅力的なコスモでありたいと思っています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子 2018.9.7更新)