(96)社会が求める事業の創出を支援

パソナグループ 常務執行役員広報本部長 高木元義氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 パソナグループ 常務執行役員広報本部長 高木元義氏
新聞発行日 2019年7月5日(金)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
高木元義(たかぎ・もとよし)
 2000年専修大経卒、パソナ入社。営業部(金融業界担当)チーム長。パソナグループ、グループ人財開発部長などを経て18年から現職。この間、グロービス経営大学院修了、MBA取得。国家資格キャリア・コンサルティング技能士。


─定年のない直接雇用の「エルダーシャイン制度」が注目されています
 今年1月、定年退職後も生涯現役での活躍を目指すシニア人材を雇用する「エルダーシャイン(社員)制度」の開始を発表してから約1000件の問い合わせをいただきました。3月27日、東京・大手町本社で行われた、エルダーシャイン入社式には、入社が決定した80人のうち、65人が参加。パソナグループ代表の南部靖之から一人一人に辞令が手渡されました。この制度の広報とともに、パソナグループが、シニアの方が第二の人生をイキイキ活躍できるようサポートする、そういう社会を目指していることを訴求していきたいと思っています。


─社会問題の解決が創業の理念です
 創業者の南部が大学4年生の時に、「家庭の主婦の再就職を応援したい」という思いから、人材派遣事業をスタートしました。当時、働き方といえば正社員かパート・アルバイトしかなく、週に2、3日、また一日4時間だけ働いても正社員と同等の賃金が得られるよう、派遣登録社員の時間給を大卒正社員の年収を労働時間で割って算出しました。人材派遣という仕組みは、一人一人の人生設計やライフスタイルに合わせて働くことができる社会インフラとして、社会に定着しました。その後も、女子大生や中高年、就職難の若者などの就労支援に取り組んできました。


─阪神・淡路大震災では、職を失った多くの人たちに雇用の機会をつくりました
 当時、社員数は1000人ぐらいでした(現在約9000人)が、約300人の社員が被災地に集まり、全社挙げて神戸の復興プロジェクㇳに関わりました。実施したのは、仕事を創り、雇用を創出することでした。象徴的なことは商業施設「神戸ハーバーサーカス」を開業したことです。開業に合わせて多くの被災者を雇用し、施設内には「一坪ショップ」のスペースを設けて被災した方の開業を支援するなど、被災地に新たな雇用を生み出しました。


─東日本大震災の際も就労支援に取り組んできました
 東日本大震災の際も、就労サービスを行う「「震災ワークレスキュー」の開設をはじめ、行政と協力しながらさまざまな雇用創出事業に取り組んできました。東北に元気と希望を与えたいと東北6大祭りが結集した復興イベント「東北六魂祭」では、協力企業として多くの社員がボランティアとともにイベント運営に携わり、地元紙など多くのメディアに取り組みが紹介されました。


─地方創成活動にも積極的です
 その一つに、兵庫県淡路島での取り組みがあります。ここ数年、人口減少が進んでいる淡路島で人材誘致による地方創生に10年前から取り組んでいます。最初に立ち上げた「パソナチャレンジファーム」は、新規就農希望者を最長3年間雇用し、栽培技術や農業経営について学んでもらうプロジェクトです。廃校になった小学校を再生した、市場やレストランなどの複合観光施設「のじまスコーラ」は、地域の交流の場、そして新たな観光・6次産業化のモデル施設になっています。そのほか。人気アニメコンテンツと淡路島の自然が融合したアニメパーク「ニジゲンノモリ」など約10か所の施設には年間を通じて国内外から多くの人が訪れています。


─広報体制は
 広報本部は、メディアリレーション、企画、マーケディング、地方創生広報の4チームから成り、メンバーは総勢16人です。私たちが目指すのは、インキュべーション型の広報です。事業のシーズ段階から広報が入っていくことで、より社会に求められるグループの事業成長を牽引(けんいん)できればと思っています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)