(87)共感呼ぶコミュニケーションを

オムロン グローバルインベスター&ブランドコミュニケーション本部
ブランドコミュニケーション部長  染川里美氏

日本工業新聞社の経済情報紙「フジサンケイ ビジネスアイ」にて、広報部門のエキスパートに取材をしてご紹介しております。

フジサンケイ ビジネスアイ
コーナー 「広報エキスパート」
取材先 オムロン グローバルインベスター&ブランドコミュニケーション本部
ブランドコミュニケーション部長  染川里美氏 
新聞発行日 2019年2月14日(木)掲載

広報のプロに広報戦略を聞く。広報エキスパート

【プロフィル】
染川里美(そめかわ・さとみ)
 1992年長崎外語短大英文科卒。ロンドンの美術学校留学後、94年インド駐日大使館大使秘書。日本コカ・コーラ広報渉外部(企業広報、マーケティング広報)を経て2013年オムロンコーポレートコミュニケーション部、18年から現職。


─中期経営計画「VG2.0」が進んでいます
 2011年に策定した長期ビジョン「Value Generation(価値を生み出す)2020」の、最終のステージです。20年度がゴールですが、さらにその先も見据えた成長戦略を描いています。注力する事業領域として、社会の発展に貢献し、成長が期待される分野として、「ファクトリーオートメーション」「ヘルスケア」「モビリティ」「エネルギーマネジメント」の4つを掲げました。当社の技術や製品、サービスを通じた社会的課題の解決を目指しています。


─ビジョンの背景は
 人手不足や高齢化の加速、温暖化に代表される気候変動などが深刻です。これまで、さまざまな社会的課題を解決に導いてきたオムロンは、こうした新たな問題にもチャレンジしていきます。人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、ロボティクスなどの技術革新は、当社にとって新たな価値を創造する大きなチャンスです。この大きな波を確実に捉え、従来の戦略をゼロから見直す長期ビジョンを社内外に分かりやすく発信していくのが、広報の使命です。


─「花とミツバチ」作戦とは
 オムロンのブランド価値の向上を目指す作戦で、当社とともに社会課題に取り組みたいと考えているステークホルダーがターゲットです。各種の展示会などを通じ、最終的にオムロンのホームページを訪れてもらうのが狙いです。例えば、毎年米国で開催され、当社も最新技術を紹介している世界最大級の電子機器見本市「CES」などでは、CESが「花」、主要メディアサイトを「ミツバチ」に、情報を発信していきます。BtoBの当社にとって、展示会はステークホルダーにブランド体験を提供できる唯一の機会で、グローバルにオムロンのブランドを伝えています。


─広報体制は
 グローバルインベスター&ブランドコミュニケーション本部 の傘下にあるブランドコミュニケーション部は、パブリックリレーション▷インターナルコミュニケーション▷マーケィングコミュニケーション-の3グループで構成され、メンバーは総勢36人。インナーブランディングという言葉がありますが、企業に欠かせないのは「人財」です。社員に企業の理念、コアバリュー、DNAを浸透させて社内での理解と実践を促し、共感と共鳴を呼び起こすコミュニケーションが大切だと思っています。


─課題は
 ソーシャルメディアやオウンドメディアで膨大な情報が流れる中、ステークホルダーにとっては、どれが本物なのか分かりにくくなっています。そこで、改めて報道機関の価値が重視されています。企業にとってマスメディアは、幅広いステークホルダーに情報を一気に届けてくれる力であり、情報に価値を与え、世論を形成してくれる力です。引き続き、マスメディアとの付き合いを大事にしていきたいと思っています。



(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子  -随時掲載)