研究員オダの環境レポート
Vol.44 室内環境に潜む小さな昆虫「チャタテムシ」
<2015.03.23 更新>

 Vol.10 『布団乾燥機を使ったダニの防除』では、室内環境中に生息するダニについて紹介しました。当研究室は一般住環境中に潜む小さな昆虫「チャタテムシ」を、快適な室内環境を維持するために重要な昆虫として、以前から研究しています(当研究所ホームページ2011年度研究発表一覧参)。今回はこれまでの研究でわかったことについて紹介いたします。

■ チャタテムシとは
 チャタテムシは体長1〜2mmほどの微小な昆虫で、シラミの仲間(カジリ虫目)です。非常に小さいため一般の方が自宅で見つけた際にダニと間違えることが多い昆虫です。

チャタテムシの顕微鏡拡大写真

 室内環境中に生息しているチャタテムシはヒラタチャタテ、カツブシ―、ソーメン―、ウスグロ―、ホン―、の5種類で、中でもヒラタチャタテはどの住宅でも見つかります。英名は「Booklice(本シラミ)」と呼ばれ、古本などからよく見つかります。本の他に革製品や古い畳など室内環境の様々な場所で見つかります。チャタテムシはカビを主な餌としていて、本などに生えたカビやホコリの中のカビ胞子を食べています。また、カビのほかにフケや垢、虫自身の脱皮殻などのわずかな有機物を食べて増殖し、クリーンルームのようなとてもきれいな環境でも見つかることがあります。高湿かつ暗所が適した環境で、そこに餌があると繁殖して大発生に繋がります。

■ チャタテムシが及ぼす害と大発生を防ぐには
 チャタテムシは毒をもっているわけではないので人に直接危害を加えることはありません。しかしながら、チャタテムシの一種であるヒラタチャタテはハウスダスト中のアレルゲン物質になり、アレルギー喘息患者の2割ほどがヒラタチャタテをアレルゲンとしていることがわかっています。加えて、チャタテムシの大量発生は同時にカビも発生している可能性があります。何よりも、小さな虫が徘徊している事に生理的な嫌悪感がある方も多いかと思います。
 チャタテムシは住宅環境に少なからず生息しているので、掃除を小まめにしてハウスダストを減らし、大量発生を防ぐことが必要です。また、本や革製品などはカビ発生を防ぐためにも、掃除の際に虫干しをして湿気を取り除くとよいでしょう。
 チャタテムシに適した環境はカビやダニにとっても適した環境ですので、これまで紹介してきたそれぞれへの対策はハウスダストの減少にも繋がります。まずは定期的に掃除をして、チャタテムシの餌を減らしましょう。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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