研究員オダの環境レポート
Vol.42 住宅環境中のカビ
<2015.03.02 更新>

 これまでのコラムの中で、「カビ」に関する話題を何度か紹介してきました。今回は、我々が普段生活している住環境中にどのような種類のカビがいるのか紹介します。

■ 住宅環境の3大カビ
 住宅などの一般的な室内環境中で見つかるカビは、「コウジカビ(Aspergillus属)」と「アオカビ(Penicillium属)」「クロカビ(Cladosporium属)」が大半を占めています。この3種類の中でも、アオカビとコウジカビの仲間は様々な種類が室内環境に潜んでいます。下の写真は、それぞれのカビが発育した集落(コロニー)です。

コウジカビ・コウジカビ・アオカビ・クロカビの一種

 アオカビとコウジカビは形態的・生態的に多様です。コウジカビでは、写真にあるように緑色や茶色をはじめとして、黒や白など種類によってコロニーの色や形状が大きく異なります。コウジカビの仲間は麹として日本酒や味噌などの製造に古くから利用されていることから、我々日本人の生活に密着した身近なカビであると言えます。

■ 住環境中のカビの量
 一般的な住宅空間には、どのくらいのカビが潜んでいるのでしょうか。空気中には、おおむね数10〜1,000個程度のカビ胞子が浮遊しています。浮遊胞子の量は環境条件によって増減しますが、日常的に清掃が行き届き人の動きの少ないオフィスでは少ない傾向にあります。しかし、どんなにキレイにしていても人の生活空間には多少のカビ胞子が浮遊しています。
 ハウスダスト(ホコリ)の中のカビ濃度については、我々が様々な住宅で調査をした結果、平均でダスト1gあたり約140個のカビ胞子が含まれていました。ダストの量自体が多い住宅ではカビ胞子の量も多くなり、量が少ない住宅では少なくなる傾向にありました。しかしながら、ダスト中のカビ胞子量は浮遊胞子以上に増減し、ダストが少ないにもかかわらず高濃度のカビ胞子が検出された住宅もありました。

 60%以上の湿度があればホコリの中でもカビは増えることができます。ホコリ中でのカビの増加は浮遊カビ胞子増加に繋がります。また、カビはアレルギーの原因となるダニや微小昆虫のエサになることもあるので、小まめな掃除とホコリの溜まりやすい場所の換気を心がけて、不必要にカビを増殖しないようにしましょう。これからの季節、部屋を閉めきりがちになる花粉症の方は特に気をつけたいですね。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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