研究員オダの環境レポート
Vol.38 遺伝子とは
<2015.02.02 更新>

 テレビや雑誌で「遺伝子」「ゲノム」「DNA」などの言葉が使われています。しかしながら、本来の意味を混同して使われていることも散見されます。これら3つの用語の意味を正確に理解しておくことで、遺伝子に関連する様々なニュースが分かりやすくなりますので、今回は遺伝子本来の意味ついて順を追って説明していきます。

■ 生物の部品と設計図
 我々人類を始めとした地球上の全ての生物の体は、様々な物質によって構成されています。体を構成する物質の材料の主たる物質がタンパク質で、筋肉や酵素、コラーゲンなどの細胞構造物質、免疫抗体など、生物に必要な部品といえます。
 そして、タンパク質を作成するための設計図のようなものが、「遺伝子」です。遺伝子にはタンパク質の設計図のほかに、タンパク質をどの程度作るのか調節する部分など様々な情報が含まれています。また、生物の持つ遺伝子全てをまとめてゲノムと呼びます。ゲノムの中には遺伝子以外(設計図における余白)の部分も存在しており、ヒトの遺伝子はゲノム全体の数%程度とも言われています。遺伝子は生き物の種類や固体によって異なるため、生物の形状、さらには個人個人の形が異なるのです。

■ 体内の暗号
 遺伝子を構成しているのが、「DNA」と呼ばれる物質です。遺伝子と聞いて、二重らせんを思い浮かべた方も多いと思いますが、らせん構造がDNAの物質としての形です。ゲノムが設計図全体であるならば、DNAは設計図を書いている暗号となります。動物や植物など真核生物の細胞中では、DNAは複雑に折りたたまれて染色体と呼ばれる形で核の中に存在しています。

 DNAを調べることでさまざまなことが分かります。IPM研究室を例にすると、カビの遺伝子を調べることで、「このカビはどの仲間なのか」「カビの毒性の有無」などを調べることができます。このような遺伝子利用は一例であり、ほかにも医療分野では「病原菌の診断」や「遺伝性疾患の治療」、農業の分野では「遺伝子組み換え作物」や「品種改良」など様々な分野で利用されています。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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