研究員オダの環境レポート
Vol.35 食品異物混入の実態
<2015.01.13 更新>

 昨年のカップ焼きそばへのゴキブリ混入に始まり、食品異物混入のニュースが矢継ぎ早に報じられています。今年に入ってからすぐに、大手ファストフードやベビーフードの主力商品に異物が混入していたことがテレビで毎日報じられていますがありました。そこで、今回は異物混入について解説します。


■ 毎年起こっている異物混入
 昨年の末から突然食品異物混入が増えていると感じている方もいらっしゃるかも知れません。しかしながら、異物混入が突如大発生しているわけではありません。
 東京都は23の特別区、八王子市と町田市に寄せられた「異物混入をはじめ腐敗や異味異臭などの食品にまつわる問題」を苦情食品として、毎年件数を集計して公開しています。ここでは一例として苦情件数とその内の異物混入件数のグラフを下に記載しました。青が苦情件数、赤が食品異物混入の件数を表しています。

昭和62年度から平成24年度までの苦情食品総件数と異物混入食品の件数

 苦情の件数は平成12年から増加しています。この年は黄色ブドウ球菌に汚染された牛乳による食中毒事件があった年で、この事件を契機に1000件程度苦情が増加しています。同様に、平成19、20年は食品表示の偽装と餃子の食中毒があり、ここでも苦情の件数が急増しています。昨年や今年の件数も上昇傾向になることが予想されます。

 食品異物混入の件数も、苦情件数と同様の動き方をしています。グラフに示すように、ニュースで大々的に取り上げられていない時も毎年何らかの食品異物混入が起こっていることが明らかです。ほかの苦情食品の件数も食品がらみの事件があった年の件数が増加しています。
 苦情食品は、1年だけ急増すると考えにくく、「食品がらみの事件が大きく取り上げられると、食事の前に確認をするなど、意識が向上してその年の件数が増加する」傾向にあると考えられます。また、「常に一定の確率で食品異物混入が発生しても、消費者がそれに気づいていないだけ」とも言えるでしょう。


 もし、食品異物混入など商品に異常を感じたら、まず保健所に連絡してください。製造時や輸送時などの問題である場合、保健所から食品会社に営業停止の指導が入ります。
 昨年あったカップ焼きそばのゴキブリ混入の事例では、保健所は「健康被害が確認されていない」「混入が頻発していない」「製造過程で混入したか不明確」などの理由から、衛生管理面などの社内調査とその結果報告を求めただけのようです。これは、企業側の責任が重くないと判断した結果だと思われます。

 当研究室では、食品をはじめとした商品への混入異物の検査を行っています。また、食品メーカーへの異物混入対策のアドバイスも行っていますので、何かお困りの際は、どうぞお問い合わせください。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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