研究員オダの環境レポート
Vol.30 カビの生えた食品に注意!
<2014.11.25 更新>

 先日「鏡餅のカビが生えた部分を取り除き、残りを食べる」といった記事を某料理レシピサイトで発見しました。インターネットで検索してみると、お餅に限らず、ミカンやパンなどに生えたカビの部分を削り取って食べている人が結構いるようです。カビが生えた部分を削り取れば食べても大丈夫というまことしやかな情報がまかり通っていますが、これは大間違いであると共に、非常に危険な行為です。

■見えないからこそ危険
 カビが発生した食品は絶対に食べてはいけません。日本鏡餅組合も「カビが生えたお餅は食べられません」と明記しています。カビが目に見える形で生えている場合には様々な種類のカビが繁殖しています。安易に「これまで大丈夫だったから」とカビの生えた食品を口にすることは危険です。
 カビ胞子は目に見えません。見えるほどカビが繁殖している場合、一見カビが生えていないように見えても、周囲にたくさんのカビ胞子が付着している可能性が高いのです。カビの生えた部分を切り取っていたとしても、知らず知らずカビ胞子を食べてしまっている可能性があります。また、食品の内部に菌糸を伸ばしていることもあります。
 一口にカビと言っても、人体に直接的な害の無いカビ、カビ毒を生産し有毒なカビ、アレルゲンの原因となるカビなど、多種多様です。無害なカビであっても体内に蓄積されて、ある日アレルゲンとなるなど悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
 さらに、カビが生えた食品は、サルモネラ(Salmonella属)やカンピロバクター(Campylobacter属)などの細菌が繁殖している可能性もあるため、細菌性の食中毒の危険性もあります。

■対策は
 「食品を食べずに捨ててしまうのはもったいない」という気持ちはわかります。大切なことは何よりもカビを生やさないことです。冬の乾燥している時期ならば問題ないと考えている方もいらっしゃるかと思います。昔の純和風建築であれば乾燥し低温になっていましたが、現代日本の多くの建築は高気密・高断熱になっており、冬季もカビや細菌の繁殖に気をつける必要があります。加工してある食品は、カビの繁殖を抑えるために冷蔵庫で保管しましょう。野菜室はカビ汚染が起こりやすいため、入れる野菜はよく洗い、清潔な容器やビニール袋にいれて保管しましょう。切り餅を保存する場合には、すりおろしたニンニクを入れたカップを一緒にタッパーにいれておくと、カビ発生を抑えることが出来ます。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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