研究員オダの環境レポート
Vol.20 第41回カビ毒研究連絡会
<2014.08.25 更新>

 先週の8月22日(金)23日(土)、筑波山にある「彩香の宿 一望」で開催された「第41回カビ毒研究連絡会」に参加してきました。

 今回の研究会は「カビ毒とカビ毒生産性カビ」に関する研究会で、発表演題数は12題と少なめでしたが、一つ一つの演題が非常に高い専門性と話題性に富んだ内容でした。

 初日には、カビから見た食品中のオフフレーバー(異味異臭)をテーマにしたシンポジウムが開催され、科学的に見たオフフレーバーについての講演がありました。
 オフフレーバーは、1)におい成分の分子が容器や包装の分子構造よりも遥かに小さいため、2)におい成分が吸着しやすい物質であるため、という2つの原因によって起こります。数年前に話題となった「カップ麺の防虫剤臭」も、保管時に近くに置かれた防虫剤のにおい成分がカップ容器を透過したため発生した事故でした。他にもウイスキーに移ったカビ臭の例なども挙げられていました。このような様々なオフフレーバーの原理を理解することで、企業は商品の包装を改良して保護に役立てていました。
 他にも、メーカーや公的研究機関の方によるマヨネーズと学校給食の牛乳のオフフレーバーについての事例報告が3件ありました。どの報告でも、異常のあった商品を常温で保存してしまう、大部分を廃棄してしまう、等の間違った対応によって、正確な調査や分析ができず、原因究明が困難になってしまうことが多いようです。この問題は食品分析を行う上でよく起こることのようで、以前参加した他の「食品分析の講習会」でも困難な点として挙げられていました。また、有名食品・飲料系企業の技術者が多く参加しており、食品業界全体がカビ毒やオフフレーバー対策に力を入れていることが伺えました。

 多くのカビ毒研究者と話をすることで、見識を深めることができました。室内環境中のカビとカビ毒についてはわかっていないことがまだまだあります。今後はそれを明らかにしていき、安心できる住環境づくりつなげていきたいと考えています。

 次回9月1日(月)の更新は、夏休みのためお休みとさせていただきます。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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