研究員オダの環境レポート
Vol.9 カビが好む環境と発生防止
<2014.06.09 更新>

 5月の末から6月の頭に掛けて連日猛暑日が続いていましたが、西から梅雨入りが発表され、続いて関東地方も梅雨入りしました。この梅雨(つゆ・ばいう)は、語源の一つとして、「黴(かび・ばい)の生えやすい時期の雨である黴雨(ばいう)」から転じたとする説があるようです。皆さんを悩ませる梅雨の時期のカビは、どのような場所に潜んでいるのでしょうか?また、どうしてカビが繁殖するのでしょうか?

■ カビはどこからやってくるのか
 「数日前まで綺麗だったお風呂の壁に黒い点々が…」このような経験は皆さんもあると思います。カビはおよそ2〜3μm (=0.002〜3mm)の非常に小さな胞子の状態で普通に空気中に漂っています。そして、壁や食品など環境中のありとあらゆるものに付着します。また、乾燥に強い種類のカビ胞子は、ホコリの中にもたくさん潜んでいます。いたるところにあるカビ胞子は、成長に適したさまざまな場所まで飛散して、目に見える状態まで成長します。そのため、我々には何も無かったところから突然発生しているように見えるのです。

■ カビの繁殖する環境
 皆さんはカビからどのような環境をイメージするでしょうか?多くの方はジメジメしている環境を想像されるかと思います。一般的にカビは80%前後の高い湿度から繁殖します。これは、カビの成長には空気中の水分(水蒸気)が必要だからです。また、カビが成長するためには栄養分も必要です。栄養分になるものは、我々が普段口に入れている食品や、皮脂やフケ、ダニの死骸やフンなどのハウスダストをはじめ、木材や植物性繊維、石鹸なども栄養とします。長雨で湿度が高くなりがちな梅雨の時期は、カビに適した環境が室内に増えるため、今まで以上にカビが繁殖しやすくなるのです。

■ カビを防止するには
 目に見えず環境中に普通に存在するカビ胞子を住居内への進入を防止することは困難です。そのため、カビの繁殖を防ぐには栄養と水分を絶ち、カビにとって快適な環境をなくすことが重要です。
 まず、生ゴミは栄養の塊なので、ゴミがでた際はきちんと密封し、常温に長期間放置せず早急に処分しましょう。冷凍しておくのも手段の一つです。また、カビの栄養分となるホコリのたまりやすい箇所は、小まめな掃除を心がけましょう。
 お風呂場や洗濯機、台所などの水周りを使用した後は、換気扇の使用だけでなく、水滴をきちんと拭いて乾燥させることが大切です。また、押入れなどの収納は湿気がこもりやすい上、ホコリも溜まりやすい箇所です。そのためカビが繁殖する環境になりやすいので、「スノコを使って収納内の通気性を高くする」「扇風機などで強制的に換気をする」などの対策をとるようにしましょう。

 カビは、見た目の悪さや臭いの他に、カビの生産する毒素は人体に有害であり、カビが原因の病気もあります。また、カビの繁殖しやすい環境はダニが生活しやすい環境でもあり、ダニはカビをエサにもします。そのため、カビの繁殖はダニ由来のアレルギーにも繋がります。健康的な生活環境の維持のためにも、このジメジメとした季節を無事に乗り切りたいですね。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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