研究員オダの環境レポート
Vol.7 ハウスダストアレルギーとその対策
<2014.05.26 更新>

 先月の話になりますが、新人研修で同期の仲間達と話す機会がありました。私が自己紹介で、配属されるIPM研究室では、ハウスダスト中に含まれアレルゲンとなるダニやカビの研究をしていると話したところ、「どうしたらハウスダストを少なくできるか?」と皆さんから質問を受けました。ハウスダストアレルギーの方でも「何が原因でどのような対策をすればいいのか」をご存じない方も多くいらっしゃいました。そこで今回は、ハウスダストアレルギーについてお話しします。

■ ハウスダストアレルゲンとは
 ハウスダストアレルゲンは住環境中のホコリの中でも、「ヒトや動物のフケ、ダニや微小昆虫、カビなどのアレルギー反応を引き起こすアレルゲン物質」を指します。咳や鼻水などのアレルギー反応は、アレルゲン物質が環境中に一定量以上存在すると、引き起こされます。
 「どの物質がアレルゲンとなるのか」については人によって違いますが、中でもダニに対するアレルギーは多く報告されています。チリダニ科のコナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニが主たる原因です。これらのダニは人の皮脂やフケ、お菓子などの食品の食べかすなどをエサにします。そのため、ベッドや布団、ソファー、カーペットなどの布製品は、フケや食べかすが残りやすくダニの生活場所にもなることから、重要な発生源の一つです。

■ 何はともあれ、換気と掃除
 ハウスダストアレルギーを防ぐためには、定期的な室内の掃除と換気を心掛けてください。生活環境中のダニ・ホコリをゼロにすることは不可能ですが、掃除と換気を小まめに行うことで、アレルギー反応のない量に低下させることができます。単純ですが効果的な方法であるといえるでしょう。掃除に使用する掃除機は、なるべ吸引力の強い機種がお勧めです。また、普段の掃除よりも、ゆっくりと複数回往復して吸引することで効果的なハウスダストの除去が可能です。小まめな清掃は ダニのエサの除去にも繋がるため、ダニの繁殖の防止にも有効です。

■ 布製品への対策
 布団やベッドのように洗濯が難しい製品には、カバーを掛けるといいでしょう。カバーを小まめに洗濯することで、製品の汚れを防ぐことができ、ダニやカビの増殖をある程度の期間防止することができます。こちらもカバーをはずして定期的な掃除機での吸引をしましょう。なお、これらの対策では、ダニのエサとなる汚れの完全除去とは行きませんので、数年に1回ほど、専門のクリーニング業者に清掃を依頼するのも一考です。

 ハウスダストアレルギーの方は年々増加しています。これは高気密化した近年の住宅事情が原因の一つでしょう。しかしながら、花粉症と同様にハウスダストアレルギーも根本的な解決方法がありません。当研究室の研究を元に、より効果的なハウスダストの防止方法について、これからも考えていきたいと思います。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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