研究員オダの環境レポート
Vol.2 なぜ遺伝子解析を使って室内環境の微生物汚染度の調査をするのか
<2014.04.14 更新>

 最近では様々な生物の遺伝子配列が解析されています。ヒトとハエの遺伝子の数に大きな差がないと言われてから約10年。遺伝子研究の世界は日進月歩で進んでいます。今回は私が遺伝子解析を用いて、人や文化財に対して被害を及ぼす室内環境中の微生物をどのように研究していくのか、簡単に紹介します。

■ 同じ姿でも危険なカビ
 下に2つのクロカビ(クロカビAとクロカビB)の顕微鏡写真を掲載しました。

 この2つは異なる種、つまりライオンとトラの様な関係です。2つのカビはトラやライオンと比べて非常に似ています。中には同じに見える方もいらっしゃるかもしれません。実は今回、「カビ胞子の形状」という明確に異なる個性を持っているカビをお見せしています。このように異なる特性のカビは簡単に識別できるのですが、人に対する毒性やアレルゲン性などは、顕微鏡を使っても判断できません。その上、カビの中には同じ見た目をしているのにもかかわらず、別のカビであるケースも多々あります。そのため、人の健康を害するカビは見た目で判断することが困難となっています。

■ 遺伝子を調べて性質の調査
 人と比べて非常に小さな微生物では、このような見た目での区別が困難であることが頻繁に起こります。そこで、カビの持つ遺伝子(DNA)を調べることで、「どのようなカビの仲間なのか」、「カビのもつ詳細な特徴」などを明らかにできます。私は一般住宅や美術館などの室内環境中のカビの遺伝子を調査することで「危険性の高いカビなのか、危険性の低いカビなのか」を調査していく予定です。

 
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このコラムについて エフシージー総合研究所・IPM研究室の活動内容や、研究中の内容をスタッフ目線でレポートした記事です。一般のかた向けに分かりやすく解説しています。
IPM研究室とは エフシージー総合研究所・暮らしの科学部所属。室内環境の有害物質を調査・研究しています。特に「室内環境中で健康被害を及ぼすダニ・微小昆虫類・カビなどの研究」を主仕事としています。
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