(53)高機能UV防止化粧品は石けんでは落とせない

 新緑が美しく、春の息吹を感じる季節は、降りそそぐ日中の紫外線も多く、帽子や化粧品などで防御しないと、うっかり日焼けをすることがあります。

 肌を黒くしたり、肌の深部にダメージを与える紫外線A波(UVA)が最も多いのは5月です。また、強度の日焼けを起こす紫外線B波(UVB)が最も多いのは7月8月です。

 日中では、午前8時から午後3時ごろまでは気をつけたい時間です。高地や空気の澄んだところでは紫外線が強く、南の海や山岳地帯では、短時間でも激しい日焼けをすることがありますから注意してください。

 最近の紫外線防止化粧品(UV防止化粧品)は、高いUV防御力があるにもかかわらず、塗っても白浮きしにくく、べたつきも少なく、やさしい付け心地で使いやすいものが多くなっています。また、以前は、防止効果が高い化粧料を落とすには、専用のクレンジング剤が必要でしたが、「石けんで落とせる」と表記されたものや「いつもの洗浄料で簡単に落とせます」と表記されたものが多くあり、利便性も向上しています。

 紫外線から肌を守ることは、美容だけでなく皮膚ガンの予防や健康にとっても大切なことですが、化粧料がいつまでも肌に残ることを心配している人もいます。

 そこで、いろんなタイプのUV防止化粧品の洗浄性を比べてみました。まず、上腕内側に2×5cmの枠をつくり、UV防止化粧品を20mg塗布して、1時間放置しました。洗顔フォームは両手で適量泡立てて約200mgを指でとり、指2本を200gf前後で押し付けて円を描きながら10秒間こすりました。クレンジング料も約200mgを塗布して、洗顔フォーム同様にこすりました。どちらもすすぎは、ぬるま湯を5秒間流しました。軽く水気をふき取ってから、UV防止化粧品が残っていると、UVを吸収して暗く見えるブラックライトを当てて撮影しました。

 その結果、「石けんで落とせる」と表示されたこども用の2点は、きちんと落ちていることが分かりました。しかし、こども用以外の3点(SPF50・PA+++以上)は、石けんや洗顔フォームだけでは落とせませんでした《写真1》。さらにメイク落としやクレンジング料と洗顔フォームのダブルで洗浄しても、完全には落ちきらず残っていました《写真2》。その後、夜に入浴して24時間後の観察をしたところ、かなりの部分で落ちていることが分かりました。


《写真1》洗顔フォーム洗浄後 《写真2》クレンジング+洗顔フォーム洗浄後

実験手順

 耐水性の高いUV防止化粧品を顔に塗ったときには、丁寧な洗顔を心がけることが大切なようです。また、身体に塗ったものは、健康な皮膚であれば、入浴をして一日ほど経つと自然に剥がれていくようです。

(2014.05.09)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

【関連情報】
UV防止化粧品の洗浄性能 ~石鹸で落とせる?~(2014.07.08)
最近のUV防止化粧品は、高いUV防御力があるにもかかわらず、「石けんで落とせる」「いつものクレンジングで落とせます」と表記されたものが多くあります。そこで、本当に石鹸や洗顔フォームなどの洗顔料で落ちるのか調べました。