(91) 室内干しのコツ
「30分乾燥」で仕上がり感アップ

 3月に入り、陽ざしにも力強さが増してきました。お洗濯日和と言いたいところですが、春といえば花粉の季節。最近はPM2.5の飛散も気になります。外干しできない洗濯物を室内でふっくらと乾かすコツはないか。柔軟剤を使わず、乾燥機を使用したケースと使わないケースを調べてみました。

 試験に用いたのは評価用として購入したばかりのバスタオル3枚。これに重量合わせのためのタオルを加えて1.5kgにし、全自動洗濯機に液体洗剤10gとともに投入して、水温30℃・29Lの水で洗浄12分・すすぎ2回・脱水5分の自動モードで洗濯。その後、①室内干し ②30分乾燥後、室内干し ③60分乾燥後、室内干し ④フル乾燥、の4つの方法で乾かし、バスタオル3枚分のかさ高と生地表面の画像で仕上がりの状態を比較しました。

 ①~④のかさ高は図1の通り。かさ高が最も低かったのは①19.3cm。最も高かった④の24.3cmとは5cmの差があり、見た目も明らかに異なりました(=写真1)。①の高さを100%としてそれぞれ比較してみると、②は121.9%、③120%、④125.7%。乾燥時間が30分でもほぼフル乾燥に近い20%程度かさ高が増しており、乾燥機を使わない室内干しよりも乾燥機を使用したほうがふっくらと仕上がることが分かりました。

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 またパイルの状態を拡大した画像で確認すると、①は波打って倒れたパイルの間から織り生地の下地が露わになっているのに対し、④は一つひとつのパイルが膨らんで下地が見えなくなっています。②③は、④に比べるとパイルにわずかにうねりが見られますが、概ねふっくらとして④に近い状態であることが分かりました。

 そもそも外干ししたほうが洗濯物の肌触りが良いと感じるのは、屋外の風にさらされて脱水で寝てしまったパイルがほぐれ、ふっくらと立ち上がるから。つまり室内干しでも乾燥機を使うことで風にあたる状態を再現すれば、外干ししたときと同じような仕上がり感が得られるのです。

 フル乾燥させるのが理想的ですが、完全に乾くまでには3時間以上かかります。乾燥機を使った②と③ではかさ高にほとんど差はなく、②はフル乾燥の④と比べてもそん色ない程度までふっくらと仕上がりました。コストや時間を考慮するなら、ふだんの洗濯に乾燥機の30分乾燥をプラスするだけでも十分といえるでしょう。また、乾くまでの時間が短くなることで室内干し特有の嫌な臭いの予防にもつながり一石二鳥。

 春の花粉の後には梅雨の季節が控えています。乾燥機を上手に利用して室内干しのストレスを軽減しましょう。

(2015.3.13)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室