(83)体温計
タイプによって検温結果に違いあり

電子体温計には測定方式の違いで実測式と予測式があります。実測式は5~10分かけて体温を測り、体温をより正確に知りたいときに使用します。予測式は測り始めの体温がどのくらい変化するかを過去に実際に計測したたくさんのデータを基に統計的に計算して予測し、10秒程度で測定できます。その他に、鼓膜や額の表面温度を赤外線センサーで測定するタイプもあり、これらも数秒で検温が可能です。

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①実測式 ②予測式 ③赤外線式(耳) ④赤外線式(額)の体温計について、それぞれの使い方に従って体温を測り、測定される温度にどのくらいの差があるのかを調べました。

①②はわき、③は耳、④は額の体温を成人7名、小児2名で検温しました。測定者は、25℃の室内にて安静にした状態で、時間を空けず連続して検温しました。

測定結果

テストの結果、体温計のタイプによって測定温度に差があり、個人差もありますが、耳で測定する③が高く測定される傾向にありました。低い傾向だった実測式の①に比べると0.2~0.8℃の差がありました。脳温をよく反映する鼓膜の検温は、体の中心体温を測るため高く測定されます。しかし、小児の場合は耳管が太く短く直線的なので、外気温の影響を受け低く測定されたのかと思われます。①と②で比べると、予測式の②が高く測定される傾向があります。④は測定する額が外気温の影響が受けるためか、わきや耳の中間的な温度でした。

体温計のタイプ、検温部位によって測定温度に差があることが分かりました。体調のよいときにお手持ちの体温計で検温しておき、自身の平熱を知っておくことがポイントです。なお、発熱時などで医師に体温を知らせるときは、体温計のタイプ、検温部位を伝えることが大切です。

(2014.12.5)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室