(78)消せるペン
色によって消える温度が違う?

書いた文字を消すことができるボールペンが発売以降、話題になっています。文字が消える仕組みは、専用ラバーで擦ることで生じる摩擦熱によってインキの色が無色に変わり、筆跡を消すというものです。多くのカラーバリエーションが展開され、ボールペン以外にもサインペンや蛍光ペンなど幅広い商品群となっています。そこで色別・タイプ別で消える温度に違いがあるのか、消しやすい色、消えにくい色があるのかを調べてみました。冷やすと消した色が戻る特長もあるため、その温度についても調べてみました。

イメージ

テストしたのは、ボールペン(黒・赤・青・緑)▶カラーペン(同)▶蛍光ペン(紫・ピンク・水色・黄緑)の12本。蛍光ペンの4色は黒・赤・青緑に近い色を選びました。

テスト方法はそれぞれのペンで線を描きこんだコピー用紙を温度50℃、湿度50%にした恒温恒湿器の中に入れ、1分おきに温度だけを1℃ずつ上げていき、描きこんだ線が消えたときの温度を記録しました。また、消した色が戻る温度を調べるテストでは、コピー用紙に線を描いた後に専用ラバーで完全に消した状態で-1℃の恒温恒湿器の中に入れ-1℃ずつ下げていき、色が戻ったときの温度を記録しました。

テスト結果

テストの結果、どのタイプでも緑が他の色に比べて低い温度で消える傾向にありました。ボールペンとカラーペンでは赤・青に比べると若干、黒が低い温度で消えたため、比較的消しやすい色であることも分かりました。

冷やして色が戻る温度は、-20℃まで実施しましたが完全には色が戻らなかったため、色が識別できるレベルまでうっすら戻った時点の温度を記録しました。その結果、カラーペン・蛍光ペンでは緑が、ボールペンでは黒が冷やしても戻りにくい色でした。タイプでは、カラーペン・蛍光ペンが割りと高めの温度(-1~-3℃)で戻るのに対し、ボールペン(-4~10℃)はよく冷やさないと戻らないようです。

色、タイプで消しやすさと戻りやすさに差がありますので、試してみてはいかがでしょうか。

(2014.10.31)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室