(71)素材を傷つけず頑固な汚れを落とすグッズは

フライパンや鍋に焦げついた頑固な汚れ。このような汚れを落とすためのグッズを売り場で数多く見かけます。ですが、頑固な汚れを落とす反面、知らない間に調理器具の表面を傷つけていることもあります。そこで頑固汚れ落としグッズ8商品について汚れ落としと傷つけやすさの関係性を調べてみました。

選んだのは、①重曹入りクリーナー ②研磨材入りスポンジ ③ハイブリッド研磨粒子入りスポンジ ④ゴム粒子入りスポンジ ⑤研磨材入り消しゴム ⑥メラミンスポンジ ⑦スチールたわし ⑧ステンレスたわしです。①は重曹面、②~④はナイロン不織布面で評価しました。

観察結果

汚れ落としのテストでは、ステンレス板にゴマ油を塗り、180℃の熱を一定時間かけて油分を樹脂化させた頑固汚れモデルを摩擦試験機にセットし、水を含ませた試験品で一定回数擦りました。汚れ落ちの具合を目視にて評価した結果、汚れがよく落ちたのは①②⑦で、次に⑧▶③と続き、④⑤⑥は全く汚れが落ちませんでした。

つけやすさのテストでは、ステンレス板を摩擦試験機にセットし、水を含ませた試験品で一定回数擦った後、目視で傷つきの具合いを観察しました。その結果、①と⑥は全く傷つかず、次いで傷が目立たない順で④▶⑦▶⑤▶③▶②▶⑧でした。

菊の様子

2つのテストを総合すると、傷をつけずに頑固な汚れを落とす①が最も優れている結果となりました。重曹のアルカリ成分が油汚れを分解し、重曹粒子は柔らかく素材を傷つけませんでした。ただし、使い続けて重曹成分が無くなった場合に汚れ落とし性能が落ちる可能性はあります。また、重曹は弱アルカリ性なので、手荒れしやすい人はゴム手袋の使用をおススメします。添加物に頼らないものであれば汚れ落としと傷つきにくさのバランスのよい⑦がいいでしょう。②や⑧は汚れ落としの効果は高いのですが、研磨材で汚れを削り落とすため素材を傷つけてしまうことが分かりました。④⑥は素材を傷つけにくい反面、頑固な汚れには向きません。

今回のテストではステンレスに対して行いましたが、これらのグッズを使うときには、パッケージの使用説明や注意書きをよく確認し、使用できるものとできないものを把握することが大切です。

(2014.09.12)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室