(63)ビン・缶に残った油の捨て方

天ぷらなどに使用した大量の油を流しに捨てるようなことはないとは思いますが、ドレッシングのビン、ツナ缶など微妙に油が残っている場合では、ビンの内側は拭いたりできず、また缶は縁で手を切りケガをする恐れもあるため、つい洗い流してしまうことが多いと思います。キッチンから出る雑排水を最も汚しているのは天ぷら油などの油です。大さじ一杯分(約15g)の油を流しに捨てた場合、魚が正常に生息できるためには、きれいな水が少なくとも、風呂おけ25杯分、4500L必要と言われています。
そこでビン・缶に残った油をどのように捨てれば環境に優しいかを調べてみました。

今回は、①キッチンペーパー(不織布タイプ)と②コーヒーフィルターペーパーをフィルター代わりにして油を取れないか試してみました。ビン・缶に残った油は、水で洗い流すことを想定し、ビンに大さじ一杯分のゴマ油15mlを入れ、これを残り油としてここに水100mlを入れて、よく振ったものを洗い液(汚染水)としました。漏斗に①、⑤をセットし、そこへ汚染水全量を流し入れ、ビーカーで受け、目視で油の量を観察しました。

汚染水と実験品

まず、それぞれ1枚で比較しました。①②共に、ごくわずかの油が取れただけで、あまり大きな変化はありませんでした。

次に、2枚重ねで行ったところ、③キッチンペーパーは、ある程度の油を取ることが出来、④コーヒーフィルターペーパーではほとんどの油が取れました。
2枚重ねるだけで油をしっかりキャッチ出来、その効果は、コーヒーフィルターペーパーの方が優れていることが分かりました。

濾過した様子

通常、コーヒーフィルターペーパーはコーヒーの香り成分を含むコーヒーオイルが抽出されるような構造です。そのような特長があるため、1枚だけではほとんどの油が通過してしまったと思われます。
キッチンペーパーでも、さらに枚数を増やすと、油をしっかり取ることが出来ると予想できます。

【ビン・缶に残った油の捨て方のポイント】
コーヒーフィルターペーパーを2枚以上重ねることで、ほとんどの油をとることができました。さらに袋状に成型されていますので、そのまま流しの横にたて掛けておくだけで汚染水を流しこめるので便利です。キッチンペーパーでも数枚重ねれば油を取る効果は得られそうですが、シート状なのでろ過できる容器(例えばザルなど)を用意し、さらに横漏れしないような工夫も必要です。
ちょっとした工夫で水質の悪化を防ぐばかりか、流しの油のヌルつきも軽減できるので是非お試しください。

(2014.07.18)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室