(55)弁当箱の片寄り、汁漏れを防ぐには

新生活がスタートし、健康志向・節約志向の高まりのなか、職場や学校に弁当を持参するシーンが多くみられます。ですが、食べる直前に弁当箱から汁が漏れていたり、中の食材が片寄って、がっかりしたという経験も…。そこで市場で販売されている弁当箱のタイプ別に食材の片寄りと汁漏れの度合いを比較してみました。

弁当箱一覧

今回のテストでは、タイプの異なる①4点ロック式 ②内フタ付きアルミニウム製 ③2段タイプ ④タッパーを比較しました。

各弁当箱におにぎり1個と汁気の多い煮魚、ゴマ油を同量かけた野菜サラダに、あいた空間には緩衝材をいれ隙間が無いように詰めました。その弁当箱にフタをし、30分歩行する通勤、通学中に鞄の中で弁当箱が揺さぶられることを想定し、30度の角度に傾く試験機にセットし、30分間(900回)連続で傾斜を繰り返し、試験後の食材の片寄りの度合いを調べました。

その結果、すべての弁当箱で大きな片寄りはありませんでした。隙間なく食材を詰めれば片寄りが防げることが分かりました。しかし、煮魚の汁は③<②<④<①の順に容器の底に多く流れ出ていました。

そこで汁漏れの程度を定量的に調べるために、ゴマ油を弁当箱の底が覆われるくらい入れ、フタをして3分間90度傾けた状態にしてみました。鞄の中で弁当箱が横になってしまったことを想定しています。①は約2分でゴマ油が漏れ出しました。②は3分後にフタを開けてみると内フタと本体の境目から油が滲んでいました。③④に漏れはありませんでした。①は4箇所のレバーでパッキンを本体の縁に押しつけて密閉する構造ですが、押しつけの力が弱いため漏れてしまったと考えられます。②の内フタは本体の縁の内側に押し込んで閉めるのに対して、③④は本体の縁の内側と外側をコの字状に挟み込んで密閉しています。フタの構造によって漏れにくさが違うことが分かりました。

パッキン・内フタと本体の縁の構造(断面イラスト)

弁当箱の多くは電子レンジや食洗機に対応している表示がありますが、内フタやパッキンには使用できないことが多いです。内フタやパッキンは柔らかい素材のため、耐熱温度が低く、熱による変形が起こってしまうためです。内フタやパッキンが変形してしまうと密閉性が保てず汁漏れしてしまいます。取扱説明をよく読み、正しく使うことが重要です。

(2014.05.23)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室