(47)掃除機の排気から出るPM2.5

昨年あたりから微小粒子状物質「PM2.5」がよく話題にのぼります。PM2.5とは2.5µm(0.0025mm)以下の小さな粒子のことです。直径が花粉の1/10程度と非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、健康被害を受けやすく注意が必要です。

PM2.5は大気中を漂っていて、室内に外気が侵入すればそのままPM2.5が入ってくるため、市場ではPM2.5に対応した空気清浄機やエアコンが人気です。しかし、これらのフィルターを掃除するときなどに使用する掃除機の排気でPM2.5が排出されてしまうと、使用者や家族が汚れた空気を結果的に吸い込んでしまいます。そこで、掃除機の紙パック式2機種とサイクロン式3機種の排気に含まれるPM2.5を比較してみました。

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今回のテストでは、いずれもPM2.5問題が深刻化する前に発売された2010年前後製造の掃除機を使用しました。PM2.5のモデルにはJISで規格された試験用粉体「関東ローム」という土を使用し、これを6畳の密閉された部屋で、フローリング床を想定した化粧板に10gを均等にまき、掃除機で1分間かけて吸引しました。吸引後もそのまま電源を切らずに運転状態で3分間、さらに電源を切ってから1分間の合計5分間を高さ135cmに設置したPM2.5専用測定機で測定しました。

テストの結果、サイクロン式は紙パック式よりも排気に含まれるPM2.5は少なく、日本の環境基準「1日の平均濃度が1立方メートルあたり35µg」の範囲内であることが分かりました。サイクロン式の掃除機であれば少し前に購入されたものでも問題ありませんでした。この基準は「1日の平均濃度」ですので、紙パック式の掃除機でもPM2.5は時間がたてば自然落下し、濃度が下がるので、それほど神経質に考えなくてもいいでしょう。ただ、心配であれば紙パック式の掃除機を使用する際は、PM2.5に対応した空気清浄機やマスクなどを併用することをお薦めします。

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サイクロン式の掃除機は普通に使う分には問題ありませんが、溜まったゴミを捨てる際はPM2.5を含む粉じんが飛散するおそれがあるのでマスクを着用し、屋外で行うなどの注意も必要です。

(2014.03.28)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

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