(79)大根の煮物 冷凍して時短

寒い季節、おでんや煮物にと大根が大活躍。でも、中まで味がしみ込むまでに時間がかかるのが難点です。そこで、冷凍した大根を使って調理試験をしてみました。

●煮物の作り方
大根の中央を3cm厚さの輪切りにして皮を厚くむき、24時間冷凍したものと生のものを比較しました。
調理は、次の手順で行いました。①鍋に水3カップと市販の顆粒昆布だし4g、凍ったままの冷凍大根と生の大根を一緒に入れる。②強火でひと煮立ちさせた後、弱火で20分煮る。③しょうゆ大さじ21/4、みりんと酒各大さじ11/2を加えて、さらに5分煮る。④火からおろし、煮汁の中に10分放置する。

●しみ込み具合と味
冷凍品は、表面の色が生のものよりも明らかに濃くなりました。また、厚みを半分に切ってみると、生のものは濃い色に染まった幅が3mmほどで、中心部分は生の白さが残っていました。一方、冷凍品は中心まで火が入って透明感が出ており、濃い色の幅も6mmほどでした。(写真)食べ比べてみても、生は中心部分がまだかたく、味が薄いのに対し、冷凍品は味も食感も煮物として十分にでき上がっていました。

しみ込み具合

●成分分析
色と食味だけでなく、大根にしみ込んだ煮汁成分の量で比較してみました。測定した成分は、しょうゆの指標となるナトリウムと、昆布だしのうまみ成分の遊離グルタミン酸量です。その結果、冷凍品は生よりもナトリウム量が1.6倍、遊離グルタミン酸量は1.2倍多く、味のしみ込みのよさを確認できました。(図)

大根の煮物の分析

●まとめ
色大根を冷凍すると、水分が凍って膨張し、大根の組織を壊します。そのため、煮汁の味はしみ込みやすくなり、熱の通りも早くなるのです。厚みのある大根を下ゆでせずに調味料を入れた煮汁で煮始めると、なかなかやわらかく煮えませんが、冷凍大根なら最初から煮汁で煮ることができます。ただし、長く冷凍してしまうと、組織の破壊が進んで大根がスカスカになります。3㌢ほどの輪切りであれば24時間が最適でしたが、切り分ける大きさによって加減するとよいでしょう。

(2014.11.07)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

【関連情報】
商品研究レポート「冷凍大根で時短調理」(2014.12.01)
味を煮含めるには時間がかかる大根。ところが冷凍するだけで味のしみ込みが驚くほど早くなるという。そこで、冷凍した大根と生の大根で煮物を作り、味の込み状態を比較した。

食品料理研究室