(74)塩「少々」の量は?

料理レシピに書かれている曖昧な分量指定「塩少々」。人差し指の先に乗る量、親指と人差し指でつまんだ量、中指を加えた3本指でつまんだ量、「少量」よりも少ない量…と、料理書によって定義はさまざまです。

塩ひとつまみイメージ

●「塩少々」のイメージ
サラサラの食塩と、しっとりとした粗塩の2種を用い、10人に「塩少々」にふさわしいと思う量を示してもらいました(図)。食塩の平均は0.36㌘。最少~最大は0.03~1.13㌘と、その差は35倍以上にもなりました。粗塩の平均は0.37㌘、幅は0.07~0.92㌘でした。
この結果から、見た目で判断する「目量りの少々」に大きな個人差があることがわかりました。

●2本指と3本指の「ひとつまみ」
次に、2本指と3本指の2通りで塩をつまんでもらいました。
2本指の食塩は平均0.24㌘、粗塩は0.41㌘。3本指の食塩は0.56㌘、粗塩は1.00㌘。最少と最大の差は、食塩では10倍程度でしたが、水分の多い粗塩は20倍以上にもなり、「手量りの少々」も個人差が非常に大きくなりました。

塩少々の量

●「塩少々」の意味
「塩少々」は、イメージする目量りの量も、指先を使った手量りの量も、人によって大きく違います。また、料理書によっても定義する量が異なります。
塩は、わずかな量でも料理の味を決めてしまう調味料ですから、レシピに従って調理をするときは「塩少々」という曖昧な指定量と上手に付き合わなければなりません。「少々」を決まった量とは考えず、使うタイミングや対象となる食材に合わせて臨機応変に判断する方が間違いはないでしょう。

●判断の目安
肉や魚の下味として全体に薄くふりかける「塩少々」は、肉や魚の重量の0.5~1%。100㌘の肉なら0.5~1㌘です。10回ほど、塩をつまんで合計の重さを量り、自分の「ひとつまみ」を知っておくと便利です。
野菜の余分な水分を除くために使う塩もみ用であれば、野菜重量の1%程度を目安にしてください。
料理の最終的な調味のための「塩少々」は、味を見ながら加える好みの量と考えましょう。ただし、健康のためには控えめがおすすめです。

(2014.10.03)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室