(70)フライパン
予熱温度の確認は水滴で

炒めたり、焼いたりする調理では、まずは何も入れないフライパンを火にかけ、適温まで温めます。この工程を予熱といいますが、適温になったことをどうやって確認すればよいのでしょうか。

●フライパンの温度の上がり方
直径26㌢のフライパン5種を中火にかけ、温度の上がり方を測定しました。フライパンは、「鉄」と廉価な「フッ素樹脂加工」の「ガス火用」「IH用」、「セラミック加工」の「ガス火用」「IH用」の計5種。いずれの「ガス火用」もアルミニウム合金製で、その底にステンレス板を貼ったものが「IH用」です。
鉄は最も温度上昇が早く、65秒ほどで200℃に達したのに対し、最も遅かった「セラミック加工IH用」は200秒と、その差は2分以上もありました。つまり、同じ火力で一定時間、加熱しても、フライパンが変われば到達する温度は大きく違ってしまうのです。

温度の上がり方

●温度の指標
そこで、予熱したフライパンに水滴を落とし、温度と水滴の状態の関係を比べてみました。
「フッ素樹脂加工」「セラミック加工」は、落とした水滴の中の気泡の状態で温度を確認することができます。100℃では気泡はすぐにできず、150℃では小さい気泡、180℃では大きな気泡ができます。200℃のときの水滴はすぐに沸き立ってすべり始め、250℃では水滴がそのままの形で転がります。(表)
一方「鉄」は、100℃では水滴の中にわずかに気泡ができ、150℃ではすぐに煮立ち、180℃では玉になった直後に蒸発し、200℃では水を落とした瞬間に小さな粒になって飛び散り、250℃では蒸発することなく、「フッ素樹脂加工」などと同様に水滴がそのままの形で転がります。

フッ素樹脂加工フライパンの温度と目安

●まとめ
一般な焼き始め温度は、卵焼きやホットケーキが150~160℃、ハンバーグやギョウザは170~180℃、炒め物は200℃くらいです。
フッ素樹脂加工のフライパンは200℃程度までなら劣化の原因となる「空焚き」状態にはなりません。予熱不足で材料を入れると「焼く」のではなく、「煮る」温度で調理を始めることになってしまいます。きちんと予熱して香ばしい焼き色をつけ、おいしく調理してください。

(2014.09.05)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室