(43) 鍋 材質が使い分けのポイント

ひと口に鍋といっても、材質も違えば値段にも幅があります。キッチンの限られたスペースに置くのですから厳選したいもの。今回は、湯が沸くまでの時間と保温性にポイントを絞って鍋を比べてみました。

実験したのは蓋付きの直径20~24㌢、容量2~3㍑の7種(写真)。材質は「アルミニウム」、ホウロウびきの「鉄」、フッ素樹脂加工の深形「フライパン」、底が多層の「ステンレス」、ホウロウびきの「鉄鋳物」、耐熱「ガラス」、「土鍋」です。

鍋一覧

●湯が早く沸く鍋
一般的に熱の伝わりがよい材質は銅とアルミニウム、その逆は耐熱ガラスや土鍋、ステンレスといわれています。
鍋に水2㍑を入れて沸騰するまでの時間を計ってみると、最も早かったのはアルミニウムで7分40秒。最も遅かった土鍋は約2倍の14分でした(図1)。やはり、熱の伝わりがよい材質の鍋ほど、湯を早く沸かすことができました。

図1

●保温性
調理後、再加熱しないでも食べられる温度の下限を60℃と想定し、水2㍑の沸騰状態を1分保った後、火を止めて60℃になるまでの時間を計りました(図2)。早く下がったのはアルミニウム、フライパン、鉄で1時間5~8分、遅かったステンレスは1時間56分と、その差は約1時間。ちなみに、湯が沸くのが最も遅かった土鍋は1時間16分でした。

図2

●まとめ
湯が早く沸く鍋ほど保温性は低く、その逆に沸くのが遅い鍋ほど保温性がよいという結果になりました。鍋の厚さや底の形状、蓋の密閉性などの要因も影響するため、同じ素材でも使う鍋によって順位は変わる可能性はありますが、材質を目安に使い分けるとよさそうです。
パスタや葉野菜などをゆでるなら、アルミニウムの鍋が最適です。昭和レトロなデザインですが、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。加熱時間が短いと省エネになりますし、重量と価格ともに軽めという点も魅力です。
保温性が高い鍋は食材に熱がゆっくり伝わるため、味のしみ込みがよいといわれています。じっくり加熱し、火をとめてからしばらくおいて味をなじませるカレーなどの煮込み料理には、ステンレスや耐熱ガラス、鉄鋳物、土鍋が適しています。

(2014.02.28)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

【関連情報】
商品研究レポート「鍋の選び方 素材が使分けのポイント」(2014.04.11)
ひと口に鍋といっても、サイズや素材も違えば、値段にもかなりの幅がある。素材と熱効率、保温性の観点から、鍋と料理について調べた。

食品料理研究室