(39) おろし器 効率と味に差

おろし煮や鍋の薬味など、大根おろしが活躍する季節。大根おろしを作るのに特別な技術はいりませんが、意外に力のいる作業です。皆さんは、どんなおろし器を使っていますか。受け皿の有無や刃の形状、おろし面の素材などが違う7種類のおろし器(写真)を比較しました。

おろし器一覧

●すりおろしの効率
大根の真ん中部分を長さ12㌢に切りそろえて縦半分に切り、30秒でおろせる量を調べました。
量を多くおろせたのは、受け皿付きで安定感があるDEF。DEは大根がおろし面にたまることなく穴からすぐに落ちるため、またFは広い面を利用して大きくすれるため、おろしやすいと感じました。対して、銅製のG、ステンレス製のCは刃が怖くておろしにくいという人も。アルミ製のABは刃が小さく、おろせた量はEの半分でした。

●粒の細かさ
削り取った大根粒の細かさを観察したところ、AFGは細かく、CEは粒が粗くてバラツキもありました。ただし、CEでも力を入れすぎずにゆっくりおろせば、ある程度は細かくなりました。

●水切り量
大根おろしは、固形の大根粒と押しつぶされて出てきた汁が混ざっています。大きな粒に削れたり、鋭く切り取れたりすると水分はあまり出ません。大根の辛みは、細胞が壊れた際に酵素が働き始めて生成されますから、つぶれて水分が多く出るほど辛みが強くなる傾向にあります。
茶漉しに入れて2分間おき、水切り量を測定すると、CEの量が目立って少なく、粒の粗さを裏付ける結果になりました。次いで水切り量が少なかったGは粒が細かかったことから、鋭い刃でつぶさずに切り取れたことがわかりました。逆にAは細かくて水分量が多いため、辛みが強くなりやすいといえます。

おろし器の特徴と評価

●まとめ
すりおろしの効率やでき上がりにかなりの差がありました。みぞれ鍋やおろし煮など大量に必要で火を通して食べる場合は、粒のバラツキよりも効率のよさがメリットになります。一方、おろしあえや薬味として生で食べる場合は、口当たりと適度な辛みがおいしさのポイントになります。大根おろし好きなら、二つを使い分けてもよさそうです。

(2014.01.31)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

食品料理研究室