(17) “揚げない”から揚げ 本物に比べると...

揚げ物は好き。でも、揚げるのは面倒。カロリーも気になる―。そんな悩みに応える商品が話題を呼んでいます。「油を使わない電気フライヤー=以下フライヤー」です。高温の熱風を循環させて加熱する、このミニオーブンの“揚がり”具合を、ほかの加熱調理器具も交え、本物の鶏のから揚げと比べました。

使った加熱調理器具はフライヤーのほか、ガスコンロの「魚焼きグリル=以下グリル」、「オーブントースター=以下トースター」、過熱水蒸気で調理する「スチームオーブンレンジ=以下レンジ」の4種です。

魚焼きグリル(上)とフライヤー(下)で作った揚げないから揚げ

フライヤーとレンジの推奨レシピでは、鶏肉に小麦粉か片栗粉をまぶして加熱するように指定されていましたが、加熱しても粉のまま残る部分があり、食べると粉っぽさも感じました。そこで、肉に下味をつけた後、熱を伝えやすくするために油をからめ、下味の水分を吸いきり、かつ粉っぽさが残らない量の片栗粉をなじませることにしました=表下。


揚がり具合を、本物の鶏のから揚げと比べました

外観を比べたとき、大きく違うのは衣でした。本物であれば衣は肉全体を包み込んでいますが、揚げないものは加熱中に流れ落ちて薄くなるのです。さらに、グリル品は縁の焦げのため、レンジ品はベタつきのため、評価が下がりました。

味は、加熱不足気味のトースター品、ジューシーさに欠けるレンジ品が不評だったのに対し、グリル品とフライヤー品は好評で、「から揚げとは違う味。でも、から揚げよりも好き」という声も上がりました。


加熱による脂質の減少率を調べたところ、フライヤー品は34%、グリル品は28%も少なくなっていました。しかし、本物も揚げ油に肉の脂が流れ出すため、1人3個を食べた場合、本物と揚げないものとの差はフライヤー品で34kcalとなります。

調理1回あたりのコストは、フライヤーの場合、ガスでの本物調理の1.6倍でした。


「この程度のカロリー差なら本物を食べる」、「鶏肉料理としておいしいから、揚げずに手間を省く」などと、意見が分かれる結果になりました。皆さんは、どちらを選びますか?

(2013.8.22)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
食品料理研究室