(84)効果的な手の洗い方で健康な冬を

 インフルエンザの患者が全国的に急増しています。一般的な成人は1時間に16回指や手を鼻や口、目に持っていくと言われており、風邪やインフルエンザの予防には手洗いが大切です。そこで、手の洗い方によって細菌が手のひらにどの程度残るかを検証してみました。
① 最初に、左右の手の平を普通寒天平板培地に圧着させて細菌数を測定。 ② 流水で30秒ほど洗った後に2回目、石鹸で普段どおりを洗った後に3回目の測定。

 これらの培地を48時間培養して一般細菌数を計数しました=グラフ1。 その結果、水洗いでは約440CFU(CFU=菌量の単位)となり、水洗いでは約140CFU、石鹸を使った場合は約90CFUの細菌が、手のひらに残っていました。この実験は手のひらに付着している細菌のみを測っていますが、指と指の間や爪の隙間など洗いにくいところにはもっと多くの細菌がついていると考えられます。


日常的手洗いと衛生的手洗いをしたときの手のひらの細菌数の違い

 日々の手洗いを全て衛生的手洗いにすることは必要ありません。衛生的手洗いは帰宅直後や調理・食事前などに行うと効果的です。普段洗いの補助として除菌ジェルを利用するのも良いでしょう。正しい手洗いの方法を習慣づけて、効果的な感染症予防を心がけましょう。

 カビが生えやすい食品とは異なり、プラスチックや金属など工業製品の表面では、カビが目に見えるほど生育するには数週間を要します。また、使用頻度が多い物品はカビ胞子が定着しにくいので、カビが生えにくい傾向にあります。毎日、持ち歩いて、指で触れるタッチパネルにカビが生えることはまず無いでしょう。ところが、カバーの内側は話が違います。掃除をしなければ、カビ胞子はいつまでもカバーの内側に留まり続け、次第にカビが生えてしまいます。筆者のカバーにはカビは見えませんが、カバーの内側にカビが生えているスマホを見たことがあります。一度、カバーを外してチェックしてみましょう。埃が溜まっている場合は水洗いして埃を取り除きましょう。風呂場でスマホを使っている人は特にご注意を。湯気でカバーの内側に湿気がたまることが予想されますが、湿気はカビの最大の原因となります。また、細菌が繁殖して臭いも発生します。風呂で使った後にはカバーを取り外し、しっかり乾燥させましょう。

(2014.12.12)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

環境科学研究室