(62) ヘアドライヤーの風量

湿度が高くムシムシとして、何をするにも暑さを感じるこの季節。髪を洗った後に温風のヘアドライヤー(以下、ドライヤー)で乾かすのが億劫になる人も多いはずです。また髪が長い人にとっては高温のドライヤーを当て続けるのは傷みも気になるのではないでしょうか。少しでも速く乾かせると良いですよね。

ドライヤーに表示されているワット数(電力量)が高いと風が強く、速く乾かせるという認識があるかと思いますが、近年市場で売られている製品のほとんどが1200~1500ワットのようです。ワット数が同じでも最近は強力な風量で『速乾』を謳った製品を出しているメーカーも見られます。ドライヤーの説明書等に『●m3/分(立方メートル毎分)』と表記されており、数値が高いほど風量が多いことを表しています。そこで、風量が異なるドライヤーについて調べてみました。

まずA:1.5m3/分とB:1.1m3/分(いずれも最大風量使用時)の2台のドライヤーを使用し、風量の差を見てみました。起動させた状態の風でピンポン玉がどの程度持ち上がるかを見たところ、Aの方が高く上がり、風量が多く強いことが分かりました。

2台のドライヤーの風量の差

続いて速乾について比較するため、評価用に作成した毛束に同量(3g)の水をなじませ濡らし、1分間温風モードで乾燥させたときの重量を測定しました。重量が少ないほど速く乾くと言えます。結果はAがBに比べ約3分の1の量となり、見た目でも毛束が濡れて塊になった箇所が少なく、濡らす前の状態に近いさらっとした感触でした。Aの方が速乾と言えそうです。

風量が多い方が速乾だということは分かりましたが、暑い時期には温風よりも冷風の方が髪に熱がこもって暑くならず、快適に乾かせそうですね。温風、冷風で乾燥時に差があるのか、Aのドライヤーの冷風モード(1.5m3/分)を使用して同じように測定してみました。結果は風量が少ない温風と同程度で、風量が同じなら冷風より温風で使用した方が速く乾きそうです。

毛束の水の重量

今回の結果から、夏場のドライヤーの使用は① 風量の多い温風モードで乾かす間に時々冷風モードに切り替え涼をとる、② 風量が少ない温風よりは風量の多い冷風モードで乾かす、ことをおすすめします。

乾燥時間が短いということは節電にも繋がります。新たにドライヤーの購入を検討されている場合には風量を参考にされてはいかがでしょうか。

(2014.07.11)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』

 

美容科学研究室