(2) ワキ毛を整えればニオイの軽減に効果あり

満員電車に乗ったとき、他人のニオイを不快に感じた経験はないでしょうか。ワキのニオイは、皮膚にいる常在菌と汗によって発生します。汗をかくと、細菌が汗をニオイ物質に変え、ワキからニオイが発生するのです。そして、ワキ毛は、そのニオイを効果的に発散させるニオイ発散装置といわれています。

そこで当研究所では、本当にワキ毛を短く整えることで、ワキのニオイが抑えられるのか実験しました。

■ ワキ毛を短く整えると約7割でニオイが軽減
20〜40代の健康な男性でニオイの実験を行いました。左右どちらか一方のワキ毛をボディシェーバー(Panasonic ER-KA50)で短く整え、試験前と2週間後の2回、「ワキ臭の強さ」と「肌着のワキ臭の強さ」を調べました。ニオイの判定は、臭気判定士(国家資格)が行い、どちらが短く整えた側か分からないように目隠しして判定しました。


2週間後、17名中8名の男性で、短く整えた側のワキのニオイが弱くなりました。4名は、何もしない側のニオイが2週間後に強くなったのに対し、短く整えた側のニオイの強さは同じでした。つまり、17名中12名(約7割)で、ワキのニオイの軽減効果が認められたことになります。この結果は、統計的にも有意に差があると判定されました。(グラフ)

試験用ボディシェーバー
脱衣直後のわきの臭いグラフ

さらに、実験に参加した男性に、自分自身の肌着のニオイを、こちらもどちらが短く整えたかわからないようにして半裁した肌着を嗅いでもらいました。試験前と2週間後では、17名中9名が、短く整えた側の臭いが弱くなったと感じました。

■ 人のニオイを不快に感じた95%
参加した男性に「他人のニオイを不快に感じたことがあるか」と質問すると、約95%の男性が、「電車の中やエレベーター、職場などで不快なニオイを感じたことがある。」と回答しました。

ワキのニオイ対策には、制汗スプレーやスティックタイプのデオドラント製品などがあり、爽やかな香りや抗菌効果のある製品があります。しかし、ワキのニオイには個人差があり、ニオイの強い人やデオドラント製品を使いたくない人、肌が敏感な人もいます。そこで、新しいニオイ対策として、「ワキ毛を短く整える」ことを提案します。

参加した男性にワキ毛を短く整えたことの感想を聞いたところ、はじめは少し違和感があったようでしたが、時間とともにスッキリして慣れたと答えました。全部剃ってしまうわけではないので男性にもそれほど抵抗がなかったようです。

(2013.5.10)

産経新聞掲載記事『比べる×調べる』
生活科学研究室