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ファンケル
「ビューティーブーケ ふわっとコシ髪 トリートメントインシャンプー」

2019.09.30

最新記事60代でもボリューム感ある形を維持

 急速に高齢化が進む日本で、加齢にともなう心身の変化への関心が高まっている。さまざまな分野でエイジングケアをうたった商品も出回っている。今回の「これは優れモノ」は60代以上の女性に向けたシャンプーを取材した。

ビューティブーケ

美容と健康の両面カバー

 「60代の女性の気持ちに寄り添うというのがブランドコンセプトです」と話すのは、ファンケル化粧品事業部の幕田美岐さん(43歳)。大学院では化学を専攻した”リケジョ”。2005年にファンケルに新商品開発担当として入社する前まで、大手印刷会社で紙パッケージ製品の研究、開発に従事していた。
  幕田さんは、2016年にリリースした新化粧品ブランド「ビューティーブーケ」の立ち上げから、メンバーとして製品作りに携わっている。同社がマチュア世代と呼ぶ60代以上の女性を対象にしており、エイジングケアに重点を置いた製品で構成されている。
 「この世代の女性たちは、自分にマッチした化粧品がないと感じています」と話す幕田さんらは、新ブランドの企画・開発にあたり、マチュア世代約4500人に生活習慣やスキンケアなどに関する綿密な調査を実施し、彼女たちの不満を収集・分析。美容と健康の両面で、意識が高く、双方をカバーする新しいタイプの化粧品が求められていることに気づいた。
 加齢によって、肌の弾力が低下して、たるみができてしまうことはよく知られている。ファンケルの研究によると、肌の弾力を司ることで知られる弾性線維が年齢とともに、構造的な質の変化を起こしていることが分かった。20代に比べて60代の弾性線維の束は、真っすぐに伸びておらず、太く短くなることが特殊な画像解析で判明した。
 たんぱく質の一種であるコラーゲンは、肌のハリやうるおいを高めるのに効果があると言われ、「ビューティーブーケ」など数多くの美容商品に使われている。

保湿力高める発芽米発酵液

 女性の場合、加齢とともに表皮の最も外側の部分である角層が厚く硬くなる。このため、栄養分が深く浸透しにくくなってしまう。ファンケルでは、硬くなった角層をほぐし、肌の保湿力を高める素材として発芽米発酵液を独自開発し、「ビューティーブーケ」の全品に配合している。
 「発芽米発酵液の効果については、学会や論文でも発表しその有効性をさまざま検証してきました」(幕田さん)
 「ビューティーブーケ」はリリース当初、クレンジングクリーム、洗顔料、化粧液、乳液など6アイテムでスタート。発売後も定量的なアンケートだけでなく、お客様と直接対話する定期的な機会や相談窓口に専用の番号を設け、新たなニーズを探るとともに商品・会報誌などの顧客満足度の向上に努めてきた。
 また、同時に取り組んできたのが、新しい発想のシャンプーの開発だった。今年8月に発売した「ビューティーブーケ ふわっとコシ髪 トリートメントインシャンプー」は、発芽米発酵液と和漢植物由来の美容成分で、髪を根元から立ち上げ、ボリューム感のある形に仕上げにするという”優れモノ”。「開発に3年をかけた自信作です」と幕田さんはほほ笑んだ。

interviewファンケル 化粧品事業部
幕田 美岐氏

頭皮育てる機能 日常使いの商品に集約

ありそうでなかった商品群だ

 60代以上と明確に対象年齢層を打ち出したコスメ商品はほとんどなかった。この層の人たちは、化粧品メーカーや市場から取り残されていると感じており、既存のものを半ば仕方なく使っている人も見られた。急速に進む高齢化の中で、この層のニーズを満たす社会的な使命を感じた。当社には60代以上の女性が数多く勤務しており、生の声を聞きやすい環境にあったこともプラスに働いた。

新商品開発で心がけていることは

 ひとつの商品を作るのに1、2年かかる。その間は一つの商品だけではなく、別種のものも並行して企画・開発する。そうした経験を通じて、新たな発想が生まれると思う。また、百貨店やドラッグストアなど販売現場に足しげく通うこともニーズを知るためには必要だ。

薄毛に関して男女の差は

 一般的に男性の薄毛は遺伝的なものと言われる。毛が生える部分自体が死んでしまい、毛が抜けて薄毛になる。女性の場合は抜け毛ではなく、髪に栄養が行渡らずに細毛になった結果、地肌が透けて見える状態になる。抜け毛が少ないため、自分では気づきにくく、娘さんに言われて気づく人も多い。女性用の育毛剤に抵抗感を持つ人も多く、日常使いのシャンプーでケアできないかというのが、開発のきっかけだ。

このシャンプーの特徴と販売戦略は

 よい髪の土台となる頭皮を育てるというのが基本コンセプトだ。シャンプー後に、コンディショナーを使うとかえって髪のボリューム感がなくなる。新商品ではシャンプー、トリートメント、ヘアエッセンス、頭皮エッセンスの4機能を1本で備えた。事前のモニター調査で、商品の使用満足度は高いものの、使う前はオールインワンシャンプーに不安感を持つ人もいた。お客様のご意見から、気軽に試せるワンコイン価格で5回分のミニサイズを用意して数量限定で発売をしている。実際に使ってもらうことで、これまでのシャンプーとの違いを実感してもらう販売戦略をとっている。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ