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キユーピー
新パッケージ「キユーピードレッシング」

2019.06.24

最新記事新開発の容器で使い勝手アップ

 健康志向の高まりで、食べるものに気を使う人が増えている。そんな中で、野菜は健康に良い食品の筆頭に挙げられている。厚生労働省は健康増進に1日350gの野菜を摂取するよう呼びかけている。今回の「これは優れモノ」はサラダに欠かせない調味料を取材した。

新パッケージ・ドレッシング

SNSで広がる嬉しい想定外

 「ドレッシングというとサラダを連想される方も多いようですが、最近は用途が広がっています」と話すのはキユーピー調味料部ドレッシングチームの林孝昌さん(37)。営業マンとして、顧客の声をじかに聞いてきた経験を生かし、5年ほど前に商品開発の担当となった。
  林さんによると、最近SNS上では、それまで想定していなかった使い方をしていることが散見されるという。
 「しゃぶしゃぶや野菜炒めのたれとして使うなどバラエティーに富んでおり、われわれも店頭やSNSを通じて積極的にお知らせしています」
  サラダを食べる習慣は紀元前にさかのぼる。レタス、キュウリ、キャベツなどは当時から栽培されていたとされている。古代ギリシャ時代には、それらの野菜に塩を振って食べていた。サラダは、塩を意味する古代ローマのラテン語「サール(sal)」から来ているというのもうなずける話だ。生野菜に塩を振るほか、酢やオリーブオイルをかけていたというから、今日のドレッシングの素地はできていたのかもしれない。
 コロンブスがアメリカ大陸を発見した15世紀以降のヨーロッパには、世界中からさまざまな産品が集まった。南米原産のトマトやピーマンなど今日のサラダには欠かせない食材もその中にあった。
 サラダが広く食べられるようになるにつれ、それにかける調味料も発達した。ドレッシングは、”飾る・盛り付ける”の意味の「ドレス」を語源としている。まさに野菜を飾るのに欠かせない調味料としてさまざまなものが考案され、一説によると3000種あるとも言われる。

日本人の舌に合う商品開発

 日本では元々生野菜を食べる習慣がなかった。明治期以降の洋食文化の浸透ともにキャベツの千切りなどが食べられるようになったが、サラダを食す習慣が普及したのは、戦後のこと。
 キユーピーが日本で初めて、ドレッシングを製造・販売したのは1958年。「キユーピー フレンチドレッシング(赤)」は、日本におけるドレッシングの代名詞として、健康志向によるサラダ人気の追い風を受けて、年々成長を続けた。
 ちなみにフレンチドレッシングは20世紀初頭のアメリカ生まれのもので、基本の配合はサラダ油に酢、塩、コショウを加えたもの。
 キユーピーでは、フレンチドレッシング発売後も日本人の舌に合う、さまざまなタイプのドレッシングを開発してきた。2000年には大ヒット商品となる「深煎りごまドレッシング」を発売。現在も市場売上ナンバーワンの商品だ。
 昨年8月末に、キユーピードレッシングは容量のラインアップと新開発の容器への変更を行った。「使い勝手が良くなったことで、変更前に比べてお客様の満足度が高まった」と林さんはほほ笑んだ。

interviewキユーピー 調味料部ドレッシングチーム 
林 孝昌氏

知られていない味は長いスパンで浸透図る

何種類のドレッシングを発売している

 味としては家庭用で約40種類だ。定番の商品や季節によって売れる商品など多少の差はあるが、どのタイプも堅調に売れている。今年2月から新たな味、「りんごといちご」、「深煎りごまゆずテイスト」を発売した。ゆずの方は、地域により味の好みが分れるので、難しいという声も社内にはあった。ふたを開けてみると、売上が堅調に推移している。新たな商品づくりには先入観を持たないほうがいい結果につながるのかもしれない。

新商品開発にかかる時間は

 企画から最終製品の出荷まで、大体1年ほどかかる。チームで動くのだが、最も時間をかけるのは品位(味)の決定だ。消費者の嗜好の変化を見極めながら、さまざまな味を検討し、試作を繰り返す。海外ではメジャーでも、国内では知られていない味の商品の場合には、長いスパンで市場への浸透を図っている。1999年発売のシーザーサラダや2006年発売のコブサラダなどは、その好例だ。

食べ方の新しい提案もしている

 知られていない野菜をCMなどで使うことで、普及を図ることもある。ロメインレタス、ゴーヤ、水菜、春菊などをサラダの具材として提案してきたのも当社だ。野菜以外にも、ハムエッグやとんかつにかけるソースとしてドレッシングを使ってもらうなどの活用法やレシピを専用サイトで紹介もしている。この夏にかけては、さっぱりしたレモンドレッシングの活用法などについても訴求していきたい。

容器の変更で売り上げが良くなった

 これまでの2~3人世帯向けの150ml瓶を180mlに増量するとともに、容器をガラス瓶からプラスチックボトルに変更した。また、キャップや注ぎ口も改良し、開けやすく、液だれしにくくした。重量が軽くなったので、主婦から買い物が楽になったという声を頂いている。軽量化で物流コスト低下とCO2排出削減にもつながっていくのではないかと期待している。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ