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オリンパス
ミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M1X」

2019.04.08

最新記事小型・軽量のプロ仕様 過酷シーンで活躍

 今年のゴールデンウィークは10連休。 旅行に出かける人も多い一方で、混雑を避けカメラ片手に近隣を散策という人も多いのではないか。今回の「これは優れモノ」は、小型・軽量ながらプロ仕様のミラーレス一眼レフカメラを取材した。

OM-D E-M1X

最高の画質にこだわり

 「歯槽膿漏のリスクは加齢とともに増加していきます」と予防の重要性を説くのは、小林製薬ヘルスケア事業部の瀧健二さん(34)。歯や歯茎の痛みを多くの人が経験しているため、オーラルケア商品ではその症状が明確に伝わるコンセプトが求められるという。
  「カメラ好きが高じて入社しました」と語るのは、オリンパス技術開発部門映像商品企画ディレクターの城田英二さん(44)。大学院では光学を専攻し、入社後はカメラの心臓部ともいえるレンズ設計を担当してきた。落下の衝撃にも耐えられる小型コンパクトカメラのレンズ開発などにも携わってきた、レンズ作りのエキスパートだ
 オリンパスは、今から100年前の1919年に顕微鏡の国産化を目指し創立された。創業時の社名「高千穂製作所」は、日本の神話で有名な九州の「高千穂の峰」からとったもの。また、現社名のオリンパスは、1921年に商標登録されたものだが、こちらはギリシャ神話のオリンポス山にちなんだもの。世界に通用する製品作りへの思いを込めたという。
  さらに、終戦後の1950年には、世界初の実用的な胃カメラを開発、カメラについても小型・軽量にこだわった製品を次々と生み出していった。
 「われわれがこだわってきたのは、どんな環境下でも持ち歩けて、最高の画質を提供すること」と城田さんは、大きさは半分、性能は倍という製品作りを目指していると語った。

信頼性、操作性に自信

 1990年代に入ると、デジタルカメラが普及しはじめる。写真フィルムが、レンズで光を集めて、銀や塩素の化学反応で像を浮かびだすのに対して、デジタルは集めた光をセンサーが電子信号に変えて画像にしていく。このセンサーは、人間の目で言うと網膜にあたると考えていい。デジタル化で、撮った画像をその場で確認できるようになり、パソコンで修正や送受信ができるようになった。
 2003年になると高級機種の一眼レフカメラもデジタル化が進んだ。「デジタル化で本体は無論、レンズ自体もデジタル専用設計とした」(城田さん)。
   一眼レフカメラはレンズの後ろにミラー(レフ)があり、これに反射した画像をファインダーからのぞいて撮影するという仕組みだ。そのため用途に応じてレンズ交換が可能で本格的な撮影に用いられることが多い。一方で、ミラーが本体に組み込まれていることから、本体がやや大きくなり、重くなるのが難点だった。
 同社では2009年にミラー機構を省略し、小型・軽量化を図ったミラーレス一眼カメラを発売、女性にも多くの支持を得た。
   このミラーレス化の技術を結集した一眼カメラ「OM-Dシステム」のプロフェッショナルモデルとして2月から発売を開始したのが「OM-D E-M1X」だ。「信頼性、操作性が求められる、より過酷な撮影シーンで活躍するモデルです」と城田さんは自信に満ちた口調で語った。

interviewオリンパス映像開発
映像商品企画ディレクター 城田 英二 氏

動物、スポーツ、風景・・・1秒間60コマ高速連写

開発までにどのくらいの時間がかかった

 2年以上かかった。開発メンバーが、カメラのボディとレンズの設計・開発チームに分かれて、最良の製品作りとその組み合せに取り組んだ。撮影したいときにいつもカメラを持っていられる、小型軽量の価値は、フィルム時代から継承しているオリンパスカメラのDNA。「OM-D E-M1X」は、プロ写真家をはじめ本格的な愛好家を対象にしたプロフェッショナルモデルだ。

プロ仕様にこだわる理由は

 ミラーレスは、カメラ本体の小型化、軽量化に貢献するが、ミラーの代わりに撮影する像を電子化するためファインダーの表示に「タイムラグがある」「画素数が不足している」と言われてきた。失敗の許されないプロカメラマンの使用に耐える製品を発表することで、そうした懸念を払しょくすることが狙いだ。画像処理エンジンの改良などで、レスポンスの速さや画を忠実に再現できるようにした。小型の超広角、超望遠など多彩なレンズ群を用意しているので、動物、スポーツや風景撮影など機動性の必要な撮影で多彩な撮影スタイルがとれる。

特に進化させた点は

 撮影時の操作性やホールディング性向上のため、カメラ本体の右側と下の部分に指がしっかりかかるグリップを採用した。長時間の撮影でも三脚なしで対応できる。ボタンやレバーは位置や形状を一新し、ファインダー撮影に集中し、ボタン操作をできるようにした。ファインダー表示のタイムラグも0.005秒と短縮し、動く被写体もストレスなく捉えられるようにした。もちろん、防塵・防滴・耐低温構造として、過酷な環境でも撮影できる信頼性と堅牢性を実現した。

ほかに新技術は

 最高で1秒間60コマの高速連写が可能だ。肉眼で捉えられない一瞬を高精細で捉えられる。連写音は静音なので、動物やスポーツ撮影で被写体の集中を妨げることなくシーンを切り取れる。新開発のジャイロを搭載し、今までにない手ぶれ補正性能7.5段を実現した。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ