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小林製薬
歯槽膿漏対策ブランド「生葉」

2019.04.01

最新記事歯や歯肉の症状に合わせて口腔ケア

 超高齢化の進む日本では、誰もが健康に年を取りたいと願っている。だが、現状は、健康寿命の延びが平均寿命に追いつかない状態だ。特に歯の健康が全身に影響を及ぼすというのが定説になっている。今回の「これは優れモノ」は、歯槽(しそう)膿漏(のうろう)をケアするデンタル製品を取材した。

生葉

歯垢中に10億個の細菌

 「歯槽膿漏のリスクは加齢とともに増加していきます」と予防の重要性を説くのは、小林製薬ヘルスケア事業部の瀧健二さん(34)。歯や歯茎の痛みを多くの人が経験しているため、オーラルケア商品ではその症状が明確に伝わるコンセプトが求められるという。
  近年では、歯の病気として「歯周病」という病名が一般に使われることが多くなった。歯周病は、歯茎が炎症を起こす「歯肉炎」と、さらに症状が進行した「歯槽膿漏(歯周炎)」をすべて含んだ総称。
 「当社の『生葉』は、進行した症状の歯槽膿漏対策がコンセプトです」と瀧さん。口の中には300~500種類の細菌が住んでいると言われている。
  歯垢を放っておくと石灰化し、歯石と呼ばれる通常の歯磨きでは取り除けない物質に変化する。歯石は毒素を出し続け、歯茎や歯を支える骨も溶かすというから歯の毎日のケアは欠かせない。
歯垢を放っておくと石灰化し、歯石と呼ばれる通常の歯磨きでは取り除けない物質に変化する。歯石は毒素を出し続け、歯茎や歯を支える骨も溶かすというから歯の毎日のケアは欠かせない。 近年の研究で、歯垢は心筋梗塞や脳梗塞の原因の一つとも言われている。糖尿病患者の多くが歯周病を患っており、歯周病治療で糖尿病が改善する報告もある。また、心臓のバイパス手術などの前に、患者への口腔ケアを徹底する病院もあるという。

45歳以上の半数が歯周病

 厚生労働省では1989年から、80歳で20本以上の歯を残そうという運動を始めている。瀧さんは「こうした運動も手伝って、オーラルケア市場は右肩上がりで成長しています」と話し、なかでも高付加価値の歯みがき粉などが人気と説明する。
 50歳代以上で、20本以上の歯の残存数を持つ人の割合は増加傾向にある。一方で、45歳以上の約半数で歯槽膿漏の疑いがあるというデータもある。歯が残っているために、付着した歯垢が悪さをするという皮肉な結果を生んでいる。
   厚労省では、40歳以上で歯槽膿漏になる患者数が、2020年には3,184万人になると見込む。同社が、植物由来の天然成分で作った歯槽膿漏対策の薬用歯みがき粉「生(しょう)葉(よう)」を世に出したのは2002年。「親子で違う歯みがき粉を使うなど、歯磨きもパーソナル化が進んだことも売り上げ拡大の要因です」と瀧さんは話す。
 現在、生葉シリーズは、歯みがき粉のほか、歯ブラシ、デンタルリンス、塗り薬など、人気とともにそのラインナップも広げてきた。さらに、4月には歯周ポケットを効果的に清掃する「生葉45°磨きブラシ」もリリースする予定だ。「これまでの歯ブラシとは全く違う使用感を味わってほしい」。そう、瀧さんは強調する。

interview小林製薬
ヘルスケア事業部 瀧 健二 氏

天然植物由来の成分で抗菌・殺菌に効果

珍しいネーミングだ

 デンタル商品は横文字のものが多く、ケミカルなイメージを持つ消費者も多いのではないか。だが、今回、製品開発にあたって天然植物由来成分にこだわり、植物をイメージする“葉”という単語を使った。当社では、生葉の他に炭の持つ力に着目した歯磨き粉なども販売。製薬メーカーとして他社との差別化を図り、効果が実感できる商品づくりを目指している。

どんな成分が入っている

 ひとつは、優れた“殺菌力”や“抗菌”効果が知られているヒノキチオールという成分。さらに、漢方薬に使われている抗炎症力のある生薬の甘草由来成分などを配合している。ヒノキチオールが歯槽膿漏の原因菌を殺菌、甘草由来成分が歯茎の腫れ、炎症を抑えるというものだ。

販売の対象年齢は

 歯槽膿漏が進む40歳代以上を対象にしている。実際には、30代から歯周病ポケットでき始めるが、若い年齢層はどうしてもひとごとと思いがちなので、こうした層へのアプローチも検討している。歯医者でサンプル品を配布したり、品揃えを増やし、自分の症状に合うものを選びやすくしたりしている。自宅でのケアだけでなく、定期的に歯医者通うことも勧めている。

歯ブラシにも力を入れている 

 歯と歯茎を同時に磨ける歯ブラシを2015年に、歯間の歯垢まで落とせる歯ブラシを2016年に発売している。この4月には、歯周ポケットを効果的に清掃できる“45°磨き”がしやすいよう、3段階の高さに植毛した新発想の歯ブラシを発売する。研究員が1年間で数多くの既存の歯ブラシを試して開発した自信作だ。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ