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キッコーマン
いつでも新鮮「特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵」

2019.02.18

最新記事これまでにない甘くフレッシュな香り実現

 和食が世界的なブームとなっている。ひところはヘルシーということで珍重されていたが、最近は訪日外国人観光客の増加も手伝って、和食本来の繊細な味付けや奥深さが評価されるようになった。今回の「これは優れモノ」は、和食に欠かせないしょうゆを取材した。

まろやか発酵

地方ごとに異なる嗜好

 キッコーマン食品が2月に発売したのが「いつでも新鮮 特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵」。
  「しょうゆが持つ芳醇な香りやまろやかさを引き出すことに注力しました」と話すのは、同社プロダクト・マネージャー室の塚本崇さん(35)。入社以来、販売の第一線で、しょうゆに対する消費者ニーズの違いを見てきた。
 例えば、名古屋を中心とした中部圏では濃い色合いでコクのある、たまりしょうゆが好まれたり、東北地方ではうまみの強いものが好まれたりと、その土地の気候や食文化によって嗜好が違うという。
 「でも、最近は健康志向の高まりから、全国的に減塩タイプが人気」(塚本さん)という。
  しょうゆのルーツは諸説あるが、紀元前に東アジアで発達した「醤(ひしお)」までさかのぼる。当時から塩漬けによる食料保存が行われており、この過程で食物が発酵・熟成し、独特のうまみを持つことがわかっていた。
  醤は原材料によって、肉醤、魚醤、穀醤などに分類される。このうち穀醤は大豆などの穀物を主原料とするもので、日本のみそやしょうゆはこれが発展したものだ。
13世紀の鎌倉時代の日本では、「溜(たまり)」が生まれたといわれている。中国で修業を積んだ日本の禅僧が持ち帰った金山寺味噌の製法を紀州(現在の和歌山県)の人々に教える過程で偶然に発見されたものだった。
  今日のものに近いしょうゆ作りが確立されたのは江戸時代。原料は、大豆・小麦・食塩のみ。 大豆と小麦、麹菌を混ぜて作ったものが麹で、これに塩水を混ぜ「もろみ」を作る。もろみは半年以上寝かせて発酵・熟成させる。    

3段階の発酵が生む味わい

 「しょうゆは人間による技術に加え、微生物と自然の力が時間をかけて生みだすものです」と塚本さんは、人知を超えた発酵の難しさを説明する。
  しょうゆ作りでは主に3段階の発酵が行われるという。最初に、もろみの中で麹菌が生み出す酵素の働きで大豆と小麦を分解し、おいしさの素となるアミノ酸や糖に変える。次に乳酸菌による発酵で複雑な味わいができる。最後に酵母がしょうゆ独特な香りを作る。
  現在しょうゆが世界中で使われているのは、発酵によってできる複雑で奥行きのある味と香りが、どんな素材とも相性が良いからだ。日本でも、甘酒や塩麹などが人気となり、発酵食品の良さが見直されてきている。
 そんな中、キッコーマン食品の「いつでも新鮮 特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵」も、発酵技術に磨きをかけて開発された一品だ。「これまでにない甘くフレッシュな香りが楽しめる、万能しょうゆです」と塚本さんは、製品の仕上がりに自信をのぞかせた。

interviewキッコーマン
プロダクト・マネージャー室 塚本 崇氏

二重構造の密封ボトル 開栓後も鮮度キープ

今回の商品の特長は

 芳醇な香り、まろやかな味わいのしょうゆだ。舌に直接刺激のある塩角が取れていて、旨みや甘みが後味まで続く。1990年から発売している本品のベースとなった「特選丸大豆しょうゆ」は、原料に丸大豆を使っている。大豆の油脂分から得られるまろやかさがあり、長年好評をいただいている。新商品の「特選丸大豆しょうゆ まろやか発酵」では、さらにフルーティーで甘い香りを多く引き出すことに成功した。

技術的に高いハードルだった

 通常、しょうゆの製造工程で大豆由来の油分は「もろみ」という発酵段階を経て、次の「しぼる」工程で除去される。この時に油分に含まれるよい香りも一緒に取り除かれてしまう。そこで、発酵途中でもろみをしぼり、油分を取り除いた液体の状態で再び発酵させることで、従来より豊かな香りを生み出す技術を開発した。これには、1年半ほど試行錯誤を繰り返した。

どんなシーンで使う

 料理に使ってもいいし、「つけ、かけ」にも使っていただける。料理素材の味を生かしながら、これまでにないしょうゆの華やかな香りを楽しめる商品だ。また、このしょうゆの香りは、油に溶け込みやすいので、調理した時に香りが飛ばず、食べた時に感じる風味によってまろやかさが一層引き立つ。

容器にも工夫が

 容器は二重構造の密封ボトルで、しょうゆに空気が触れない工夫が施してある。開栓後4ヵ月鮮度がキープされる。従来の密封ボトルはプラスチックごみとなるポリエチレン素材だったが、この商品ではリサイクル可能なPET素材を使用した。当社では、300年以上にわたり蓄積された発酵技術を応用し、旨みとコクが深い「あごだししょうゆ」や食物アレルギーに対応するため、大豆・小麦を一切使用しない「えんどうまめしょうゆ」などを今後大々的に販売していく。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ