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日立アプライアンス
タテ型洗濯乾燥機「ビートウォッシュ」

2018.07.28

最新記事客の声にこだわり高い洗浄力を実現

 ここ数年、自宅で洗える衣類が増えてきた。夏本番の今、一日の汗を吸ったワイシャツやブラウスは、忙しくてもすぐに洗いたい。今回の『これは優れモノ』は、洗濯乾燥機を取材した。
 「洗濯機に対する消費者のニーズは時代とともに変化しています」と話すのは、日立アプライアンス商品戦略本部の森島彰俊さん(35)。森島さんは、これまで7年間にわたり洗濯機の商品企画に携わっている。

ビートウォッシュ

 日本で電気洗濯機が普及し始めたのは、1950年代。それまでの洗濯習慣や風土の違いで、世界の洗濯機の方式には、もみ洗いの渦巻式、ふり洗いの攪拌式、たたき洗いのドラム式が生まれた。
 もともと、米国で発明された洗濯機は、まとめ洗いや大物洗いに適した攪拌式。ヨーロッパでは、少量の水で洗えるドラム式が普及したが、日本の各メーカーは、省スペースで構造もシンプル、洗浄力も高い渦巻式を採用した。
 最近では、日本でもドラム式が普及してきたが、森島さんによると上から洗濯物を入れる昔ながらのタテ型に比べれば、まだ少ない。また、乾燥機能のない全自動洗濯機と、洗濯から乾燥まで行えるタイプの割合は、約3対1程度で、洗濯乾燥機は伸びる余地があるという。
 機能面でも変化が起きている。「東日本大震災の後では、省エネや節水を重視する傾向が強かったのですが、最近では家事時間の短縮につながる機能がより求められています」と森島さん。
 日立など多くのメーカーは、水道代や電気代を抑えた省エネモデルを提案してきた。その結果、ここ最近のモデルでは、一定のニーズを満たした感もあるという。
 同社は、2004年に「ビートウォッシュ」という新たな洗浄方式を開発し、同名の新ブランドを立ち上げた。洗濯槽の底の独自形状の回転羽根により、洗浄中の衣類を上下に入れ替え、押して、たたいて、もみ洗う。
 さらに、洗濯中に衣類の上から洗剤の入った水をシャワーのように振りかけることで、少ない水でもみ洗いだけでは落ちにくかった汚れも落とせるという“優れモノ”だ。
 それでも、同社が2015年にタテ型洗濯乾燥機のユーザーを対象に行った調査では、洗濯から乾燥までの時間がかかり過ぎるという声が多かった。さらに洗濯の際に出る糸くずや洗濯機本体の掃除を簡便にできるよう望んでいるほか、「食べ物のシミなど、落ちにくい汚れには予洗いするなど手間をかけていることも分かりました」(森島さん)。
 そんなユーザーの声も参考に研究を重ね、今年6月から投入したモデルでは、液体や粉末といった洗剤の種類をセンサーで感知し、それぞれに合わせた洗い方をすることで洗浄能力を高めた新「ナイアガラ ビート洗浄」という洗浄方式を開発した。
 さらに、高効率の乾燥制御で、1人1日分の衣類、約1.5キロの洗濯~乾燥を従来の125分から98分へと大幅に短縮することに成功した。
 「お客さまの声に徹底的にこだわりました」と森島さんは製品の完成度に自信をのぞかせた。

interview日立アプライアンス
商品戦略本部  森島彰俊 氏

洗剤の特性に合う洗い方を自動で判断

洗濯機に対するニーズが変化している

 共働き家庭の増加などライフスタイルの変化で、家事にかける手間暇を省きたいという声が多い。昔は毎日のように洗濯機を回していた家庭も多かったが、最近はまとめ洗いも珍しくなくなった。大物の毛布などもクリーニングに出さずに自宅で洗う家庭も増えた。当社では、これまで大容量の洗濯機に力を入れてきた。今回、新発売した「ビートウォッシュ」でも業界最大クラスの12キロのタイプを用意し、週末のまとめ洗いに対応している。

顧客の声をどう生かしたか

 鍵は「時短」だった。食べこぼしや襟・袖の汚れたワイシャツ、黄ばみの付いたシャツなどは、予洗いや漂白剤につけてから洗濯機にかける人が多かった。洗濯機の洗浄機能を高めれば、これらの事前作業は不要になる。また、乾燥時間も衣類を舞い上げながら乾かすことで、乾きムラを抑えて短縮する工夫を施している。軽い汚れで1人1日分の衣類、1.5キロ程度であれば、「おいそぎ」コースで洗濯から乾燥まで約98分で完了する。子供の体操着など、毎日使うものの洗濯には便利な機能だと思う。

今回の商品で目玉の新機能は

 新「ナイアガラ ビート洗浄」だ。投入された洗剤が液体なのか粉末なのかをセンサーで感知し、その洗剤の特性に合った洗い方をする。粉末洗剤はしっかり溶かしてから洗う。一方、液体の場合は洗剤成分が溶けやすく、粉末に比べて発泡しにくいため、攪拌の回転数を上げて衣類を動かしてしっかり洗う仕組みだ。洗濯槽内の洗剤の入った水を循環させて、滝のように衣類の上から散布して、より洗浄力を高めている。

使い勝手にも気を配った

 洗濯の際に出てくる糸くずを集めるフィルターを改良し、こびりついた糸くずに触ることなく、捨てることが出来るようにした。また、衣類乾燥の際に出る湿気を排水と一緒に流して、湿気が室内にこもらない工夫もしている。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ