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ニベア花王
男性用制汗剤「8×4MENスティック」

2018.03.24

最新記事塗り心地滑らか 汗・臭いを長時間防ぐ

  「春分の日」(3月21日)を過ぎ、コートが不要な日も増えてきた。朝の通勤電車では気温の上昇と人いきれが相まって、ハンカチで汗を拭う男性も見かけるようになった。今回の「これは優れモノ」は、市場が拡大している男性用制汗剤を取材した。

8×4MENスティック

男性の8割「気になる」

 ニベア花王マーケティンググループの波田(はだ)晃二さん(年齢)は、「弊社の調べでは自分の臭いが気になるという男性は8割以上でした」と話す。女性進出の著しい職場では、男性特有の汗臭さが「スメルハラスメント」として敬遠される傾向にあることも関係しているようだ。
 汗をかく原因には、体温調節のための発汗、辛いものなどを食べたときにでる味覚性の発汗、緊張感などによる精神性発汗があげられる。
 出たばかりの汗は本来無臭だが、皮膚についている雑菌が時間とともに汗の成分を分解してガスを発生させる。
 さらに汗腺には、全身に分布する「エクリン腺」とわきの下などの部位にある「アポクリン腺」との2種類がある。
 後者から分泌される「アポクリン汗」には、水の他にタンパク質や脂質など臭いの原因になりやすい成分を含んでいるため、わきの下周辺から独特の体臭を発することになる。
  波田さんによると、「自分の臭いが気になると答えた男性のうち、半数以上が自分はわきがかもしれないという意識を持っていた」という。
 「8×4(エイト・フォー)」は、1951年にドイツのバイヤスドルフが開発した制汗デオドラント商品の国際的なブランド。国内では74年からニベア花王が製造・販売している。
 エイト・フォーの名前の由来は、バイヤスドルフが発見した制汗剤の有効成分の名前が32文字だったこと。掛け合わせて32を構成するとの意味で8×4となった。
 日本では女性をターゲットに、国内で初めてパウダースプレータイプの制汗剤として市場に投入された。「全身の臭いや汗によるべたつきを抑える商品として、10~20代の女性から多くの支持を得ました」(波田さん)。
 現在は、液体の薬剤を直接塗布するロールオンタイプ、クリーム状の薬剤を塗布するタイプ、固形の薬剤を直に塗るスティックタイプなどのラインアップがあり、多様なニーズに対応している。

膜で流れ落ちにくく

 2002年からは、男性向けの制汗剤も本格的に展開。女性向け商品と同様に、スプレータイプや直塗りタイプなどをそろえてきた。「汗の臭いが気になる男性は、スプレータイプに比べて、肌にしっかり薬剤を塗りこめる直接塗布するタイプを選ぶ傾向があります」と、波田さんは市場の変化と新たな商品開発の背景を説明する。
 2月から新たに発売した「8×4MENスティック」には、殺菌成分BGA(β-グリチルレチン酸)と制汗成分ACH(クロルヒドロキシアルミニウム)を配合。わき毛のある男性にもなめらかに塗れる処方で、撥水(はっすい)性の膜をつくるため汗でも流れ落ちにくく、汗や臭いを長時間ブロックする。
 「この商品をきっかけに制汗剤の利用者をさらに増やしたい」と、波田さんは市場の有望性を強調した。

interviewニベア花王
マーケティンググループ 波田晃二 氏

市場規模5年で2.5倍 スティックタイプに潜在力

「わきがを長時間ブロック」とアピールしている

 2016年に15~59歳の男性600人を対象に調査したところ、81%が自分の臭いが気になると回答している。このうち半数以上の54%が、自分はわきがではないかという意識があることが分かった。あえて、「わきがを長時間ブロック」と強調することで、これまで取り込めていなかった層を獲得することが狙いだ。

制汗剤にはさまざまなタイプがある

 男性用制汗剤の市場規模は、16年に123億円に達したとみられる。11年に102億円だったことから、5年で20%拡大したことになる。商品タイプ別では、汗拭きシートやパウダースプレータイプが全体の7割ほどを占めている。
 市場の拡大とともに伸びているのが、薬剤を直接塗るロールオンやスティックタイプの制汗剤だ。特に固形の薬剤を直に塗るスティックタイプの市場規模は12年に4億円程度だったものが、17年には10億円を超える程に伸張した。スティック市場は高いポテンシャルがあると考えている。

直塗りタイプが伸びている理由は

 わき毛の多い男性にとって、直接塗布するタイプは汗や臭いをしっかり抑えるというイメージを持って使っている人が多いようだ。また、汗自体を強力にブロックすることで、わきの下の汗じみを防ぎたいという声が男女ともに多い。こういった点が、直塗りタイプが支持されている理由だと推測している。

ターゲットとする年齢層などは 

 女性の8割が制汗製品を使っているので、男性市場も成長の余地が十分ある。男性の30~40歳代では、2人に1人が何らかの制汗剤を使っているデータもあるので、さらに使用率と年齢層の拡大を目指していく。空調機器の充実で、制汗剤は季節に関わりなく使用される生活用品になりつつある。体臭のきつくない日本人に合わせて優しい香りに仕上げているので、ぜひ試してもらいたい。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ