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アートネイチャー
女性用ウィッグ「ジュリア・オージェ」

2018.02.24

最新記事根元から立ち上がり、着け心地柔らかく

  日本語でかつらと言うと、薄毛に悩む男性をイメージするが、英語訳したウィッグは、おしゃれに敏感な女性たちの間で、ファッションとして定着しつつある。今回の「これは優れモノ」は、進化した女性用ウィッグを取材した。
  「スタイルやつけ心地にこだわったウィッグがあれば、女性はもっと輝くはずとの思いで開発しました」と話すのは、アートネイチャー執行役員ジュリア・オージェ営業副本部長の重松小百合さん(53)。
美容師の資格を持つ重松さんは、1994年に入社し、発足したばかりの女性専用サロンに配属された。当時の女性用オーダーメイドウィッグは高品質がだったが、男性用かつらを転用したものが多かった。
 「女性が求めるウィッグは、毛髪がふんわりと根元から立ち上がり、つけ心地も柔らかいものでした」。重松さんは、何度も現場の声として、商品改良の要望を本社にあげた。「そのうち、社長の目に留まって、そこまで言うのだったら、自分で開発してみてはと声をかけられ、女性向け商品の開発を行うことになりました」

ジュリア・オージェ

女性スタッフが協力

 女性は前髪を数ミリ切っただけでも、気にする人が多い。他人から見て気づかないようなウィッグの膨らみも、本人からすると頭に”のせている感”があるのだとい う。そこで、本社の開発担当者や海外の製造工場のスタッフと、何度も議論や説得を重ね女性のお客様のご要望を取り入れた新しい形のウィッグを開発することになった。
 最初は、新しいものに取り組むので、「工場現場のベテランスタッフは躊躇して中々手伝ってくれなかったが、若い女性スタッフは積極的に協力してくれました」と重松さんは、慣習や経験に縛られずに、新たなことにチャレンジしていくことの重要性を強調した。
 こうして、2005年に女性用オーダーメイドウィッグの「セレア」が誕生。たちまち大ヒット商品になり、その新しい商品の縫製方法は業界のスタンダードにもなった。 その後も洋服の肩口を立体的に仕上げる「いせこみ」と呼ばれる縫製技術をウィッグ製造に導入し、分け目が地肌と見分けがつかないほどの素材を使い高品質を実現した。
 このオーダーメイドウィッグの技術をいかし、より手軽に楽しめる既製品ウィッグのブランドが、2008年から展開している「ジュリア・オージェ」だ。 なりたいヘアスタイルや髪色に合わせてトップウィッグやハーフウィッグ、オールウィッグなど選べる。

植毛部分を二重構造に

 2017年10月に同ブランドの新商品として発売された「ピュアシェル」は手のひらサイズ。気になる分け目も植毛部分を二重構造にし、髪をふんわり立たせて目立たなくさせた。さらに、分け目の紫外線対策も施している。
「ウィッグが初めてという女性でも簡単につけられてきれいに仕上がります」と重松さんは新商品の自信を語った。

interviewアートネイチャー
ジュリア・オージェ営業副本部長 重松小百合 氏

品質に加えメンテナンス充実 人気の理由

男女でウィッグへのニーズが違う

 男性は薄毛を隠すために利用していて、20代から使い始める人も多い。女性も薄毛を理由に挙げる人もいるが、分け目の白髪を目立たなくさせるとか、髪をボリュームアップするためといったおしゃれ感覚で使う傾向がある。利用者層も50代以上の人がメインだ。また、抗がん剤治療で脱毛した女性向けに医療用ウィッグなどのニーズも近年高まってきている。品質に加え、医療割引制度や充実したメンテナンス体制が人気の理由だ。

「セレア」は女性用ウィッグを進化させた

 美容師として女性の髪の悩みを聞いていくうちに、それまでのウィッグが男性目線の技術で作られていることに気づいた。技術力は高いが、柔らかさ、軽さといった女性が望むポイントが欠けていた。素材の加工方法から毛髪の植え方まで、徹底的に見直した。オーダーメイドウィッグ「セレア」にふれた女性のお客様の驚きを見て、商品企画が正しかったことを実感した。業界全体での品質向上のため開発した技術は、可能な限りオープンにした。

ウィッグに使う毛髪は

 人毛と人工毛の両方を使う。人毛は風合いが優れているが、天然のものなので品質にばらつきがあったり、紫外線に弱いといった弱点がある。技術革新で人工毛の品質は格段の進歩を遂げている。顧客の髪質などと合うように、両者を使い分けている。レディメードのものについては人工毛の割合を多くしている。

ウィッグの耐久性などは

 使い方次第だが、メンテナンスをしっかりしておけば一生持つぐらい品質には自信がある。女性の場合、定期的にヘアスタイルを変えたりするので、レディメードの場合は2年に一回くらい買い替える人が多い。弊社では、ウィッグの下取りなども行っており、好評だ。品質の高さから、アジア市場でも人気で、今後欧州や北米などでの浸透を図っていきたい。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ