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フランスベッド
横向き寝専用枕「ドクタースリープバンテージ」

2018.01.27

最新記事口閉じやすく いびき対策に効果的

 しっかりと寝たはずなのに、会議の合間についうとうとしてしまった経験がある人も多いのではないか。その原因は「いびき」かもしれない。ある実態調査では、男性の40%以上、女性では30%以上もの人が、いびきに悩んだ経験があるという。今回の「これは優れモノ」は、いびきで悩む人向けに開発された枕を取材した。 

ドクタースリープバンテージ

四半世紀近く取り組み

 「弊社では4半世紀近くにわたり、いびき対策に取り組んでいます」と話すのは、フランスベッド営業企画本部の近藤祐子さん(51)。入社以来、販促に携わっている近藤さんは、開発チームと一緒によりよい睡眠を探求してきた。
 同社が、いびきの出にくい枕を最初に発売したのは1994年。あおむけに寝るといびきが出やすいとされていたことから、寝たときに頭部が自然に横向きになるような形状にした。
 その後も、自分のいびきの音を録音できる枕(録音データは診断に生かせる)や、いびきの音を感知すると振動していびきを止める枕など、アイデア商品を次々に発売した。2000年には枕の領域を飛び出し、世界初の「寝姿勢測定機」を開発。自社ショールームに同測定機を導入し、顧客の頭からお尻までの背面の体の凹凸を測定して、その人にあった硬さのマットレスを選べるサービスを開始した。
 同測定機で得られた寝姿勢データを元に商品の改良を進め、14年に横向き寝専用の枕「スリープバンテージ」を発売。同枕は3年間で25万個の販売を記録するヒット商品となり、近藤さんによると「お客さまからは『いびきが気にならなくなった』『いびき診療の専門医に勧められて購入した』といった声を多くいただいている」という。
 同枕に着目した札幌徳洲会病院の後平泰信医師が、「日本睡眠学会」で横向き寝といびきの軽減の因果関係を発表。これをきっかけに、後平氏監修の下、いびきによる快眠の妨げの解決を目指して開発されたのが「ドクタースリープバンテージ」だ。17年12月からインターネットで先行し、順次、全国の家具販売店などでも発売する。

「J」字型でフィット

 ちなみに研究が進んだ現在、横向き寝は「口が閉じやすく気道が確保され、スムーズな呼吸を促す」(近藤さん)ことから、いびき対策に効果的とされているという。
 同枕はユニークな「J」字型にすることで、横向きで寝た際のフィット感を高めた。50人の男女社内モニターから肩幅などのデータを集め、最適な形状を追求した。付属のベルトを使用することで、より長時間、横向きの姿勢を保つこともできる。
 また、開発工程で詰め物にポリエステル綿を使った既存品では横向き寝を完全に維持できないことが分かったため、同枕では適度な硬さのあるポリウレタンフォームを採用し、さらに背中側のテイル部分を長くしたのも特徴だ。
 「いびきに悩む女性も多く、発表後に多くの反響をいただいております」と近藤さんは、長年の研究成果に確かな手応えを感じている。

interviewフランスベッド 営業企画本部  近藤裕子 氏

4割の火とが悩み・・・軽減の一助に

いびきについての調査を実施した

 1000人の男女にインターネット調査を行ったところ、全体で4割近い人がいびきに悩んでおり、女性でも3割強に上るという結果が出た。一方で、半数近くが、解決方法が分からないので、対応のしようがないとも答えている。横向き寝専用の枕「ドクタースリープバンデージ」は、そうした方々の悩みを軽減する一助となればと考えている。

製横向きになるといびきをかきにくくなる

 いびきの原因は肥満や加齢による筋力低下で、口蓋垂が重力で垂れて、気道を狭くし、そこに空気が通り、振動するためだといわれている。気道が狭くなり、十分な酸素が行きわたらないと睡眠時無呼吸症候群になることもある。横向きで寝ると、口蓋垂がたれにくくなるので、いびきを軽減する効果があるという。いびきの音は50~80で、夜間の住宅地の環境基準値を上回るもので、夫婦が別室で寝る原因にもなっている。

開発には時間をかけた

 2014年に発売した「スリープバンテージ」の知見はあったが、2年ほどの時間をかけた。男女で肩幅や頭部の高さが違ってくるため、社内モニターの体形計測で最良の寝姿勢をとれるサイズを割り出した。背中部分を既存品より11㎝長くしたことで、横向き寝を長時間キープできる。詰め物には適度な硬度のポリウレタンフォームを使用し、一つ一つ丁寧に形を整えながら製作している。昨年12月の発売開始からこれまでに、枕としては異例の800個以上の注文があり、マーケットニーズを実感した。今後は、百貨店などにも販路を拡大していく。

いびき対策に長年取り組んでいる

 わたしたちは寝具メーカーとして、いびきを改善するための枕の開発に取り組んできた。ただ近年、いびきが病気の兆候であることも分かってきた。札幌徳洲会病院の後平泰信医師の発表資料によると、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の国内の患者数は推定200万人で、いびきはその兆候であるといわれている。SASは生活習慣病になる確率も増えるといい、いびきの改善に向けては、人によっては医療機関を受診することも必要だと考えている。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ