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花王
炭酸入浴剤「バブ」

2017.11.25

最新記事短め入浴にも! 体を芯から温める

 二十四節気の小雪(22日)を迎え、帰宅後の温かい湯船を楽しみにしている人も多いのではないだろうか。今回の「これは優れモノ」は、温浴効果を高めた入浴剤を取材した。

「バブ」

生活変化で9年ぶり改良

 「忙しさを増す現代人のライフスタイルの変化に合わせて9年ぶりに改良いたしました」と話すのは、花王(株)ヒューマンヘルスケア事業ユニットの柳澤遼太郎さん(31)。柳澤さんは、入社以来入浴剤の研究・開発に携わっている。
 花王の調査によると、女性が湯船につかる時間は短くなる傾向にある。女性600人を対象に湯船につかる時間を調べたところ、「10分未満」が4割以上という結果だった。同社では、共働き世帯が増え、帰宅後に洗濯や夕飯づくり、子供の世話などに追われ、ゆっくりと湯船につかる時間が減っているとみている。
 今回の“新生バブ”は、こうした社会背景に着目して開発した。柳澤さんによると最大の特徴は「バブシリーズこだわりの『炭酸力』に加えて、『あったかベール成分』を新たに配合ししたこと」。同成分は硫酸マグネシウムや硫酸ナトリウムなどで、「体を芯から温め、お風呂から上がった後もポカポカした心地よさが続くので、短め入浴にもお使いいただけます」という。このほか、錠剤のデザインを変え、湯船に投入した瞬間から自然でフレッシュな香りを楽しめるように工夫をした。
 柳澤さんが「こだわりの『炭酸力』」と胸を張る入浴剤「バブ」は、1983年に登場し、来年で発売35周年を迎える。当時、国内に炭酸ガスを使用した入浴剤はない中、炭酸泉が健康に良いという論文を見つけたことから商品開発に着手した。同論文には、欧州では古代ローマ時代から炭酸泉が保養施設として利用され、血管や心臓の障害の治療に効果があるとされ、リハビリにも使われていることが書かれていた。

新陳代謝し老廃物排出

 開発チームで調べてみると、このような効能は、炭酸泉に含まれる炭酸ガスによるものであることが分かった。柳澤さんによると、「お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚から浸透すると血管が拡張し、血行が良くなって新陳代謝が高まる。蓄積した老廃物や疲労を感じさせる物質が排出され、肩凝りや痛みの緩和、疲労回復につながる」という仕組みなのだそうだ。
 斬新な商品アイデアに同社の経営陣は初め首をかしげたが、製造のために新たな機械を導入。約3年の歳月をかけて、現在では当たり前となったものの、当時は珍しかった「錠剤型」の入浴剤を完成させた。シュワシュワ~と炭酸ガスの泡がはじける、まったく新しいタイプの入浴剤は、同社の予想を超える大ヒット商品になった。
 同社によると、温泉ブームも相まって入浴剤市場は拡大し、現在では他社製も含めて炭酸ガス入りのタイプが4割近いシェアを占めているという。
 こうしたこだわりの「炭酸力」に新成分が加わってパワーアップした“新生バブ”。柳澤さんは「炭酸ガス入浴剤の効果をより多くの人に体感してもらいたい」と話している。 /br>

interviewヒューマンヘルスケア事業ユニット 柳澤遼太郎 氏

共働き世代の30~40代女性の効能訴求

改良の理由は

 日本には湯船に入る習慣が根付いている。お湯につかることで、1日の疲れを取りたいと考えている人は多い。特に冬場になると65%の人が毎日湯船につかるというデータもある。一方で、湯船につかっている時間は短くなっている。そこで、忙しい人の「短め入浴」に着目して製品の改良を行った。

バブは来年で発売35周年を迎える

 日本で初めて炭酸ガスによる温浴効果をうたった商品として、多くの方々に愛用いただいている。発売当初からのリピーターも多く、購入者の約5割が50歳以上となっている。今回の改良では、もっと若い年代層への拡大も狙いとしており、特に共働き世代の30~40歳代女性に入浴剤の効用を訴求していきたい。こうした世代に好まれるアロマの香りを楽しんでもらうために、新たにベルガモットジンジャーの香りもラインナップに加えた。

入浴剤市場の動向は

 入浴剤の市場規模は、2016年で約400億円と推計されている。そのうち約4割が炭酸入浴剤。お風呂好きの日本人の習慣からすると、入浴剤市場はまだまだ伸びる余地があると考えている。認知度向上に向け、テレビCMのほかにイベントも打ち出している。東京・新宿駅や大阪・梅田駅などでは先ごろ、ガチャッと回すとバブが出てくる「巨大バブサーバー」を設置し、改良したバブをプレゼントするイベントを行った。

改良品の市場での反応は

発売後の売れ行きは、前年を大きく上回る勢いで、直近の1週間では前年比42%増と上々の滑り出しとなっている。ただ、入浴剤は特別なものと考える人も多く、恒常的に使っている人の割合は、まだ4割ほどにとどまる。入浴剤は11月、12月が販売のピークなので、認知度向上への取り組みを強化したい。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ