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日本ハム
ソーセージ「シャウエッセン」

2017.06.10

最新記事熟練工の勘と経験で本場の味を再現

 初夏を迎えて、冷たいビールが恋しくなるシーズンが到来した。のどを潤した後には、ちょっと脂の乗ったおつまみがほしくなる。今回の「これは優れモノ」は日本で独自の進化を遂げたソーセージを取材した。

シャウエッセン

発売当初から変わらぬ製法

「1985年の発売当初から製法はほとんど変わらず、熟練工の勘と経験がないとできないんです」と語るのは、日本ハム加工事業本部マーケティング室の比恵島裕美(ひえじま・ひろみ)さん(34)。自身も徳島工場のハム・ソーセージ製造ラインに数年従事した経験を持つ。
 ソーセージの原料となる豚肉は工場に持ち込まれる際に、骨がついていたり、豚の毛が混ざったりしていることがある。
 これをすべて手作業で取り除く。すばやく、しかも取りこぼしが許されない作業で、長年の経験に裏打ちされた職人技が求められる。細かな毛などを見つけて除く作業は、人間の目と手の感触が一番確かで、機械化は難しいという。
この工程を経て、肉をあらびきのミンチ状にして塩などを加えて一定期間漬けこむ塩せきを行う。
 比恵島さんは「どの程度、肉を寝かせるかによって味が左右されます」と説明する。日本ハムでは、10℃以下で数日寝かせるという。
 「塩せき工程は味と品質維持に深く関係しています」(比恵島さん)。この工程は、各社が知恵を絞っているところで、企業秘密だ。
 塩せきしたミンチ状のあらびき肉に調味料やスパイスを加えるとソーセージの中身となる「練り肉」が完成する。これを羊の腸につめて、スモークするとソーセージになる。このスモークの過程も味を左右する大事なもの。
   スモークする時間や温度も、その日の外気温や湿度などによって微妙な調節が必要になる。ここにも職人の長年の経験が活かされているという。

「パリッ!!」とした食感実現

 「シャウエッセン」は、本場ドイツの技術を取り入れつつ、日本人の口に合うソーセージを目指して企画された。
 開発にあたっては、①食べた時の「パリッ」とした食感、②天然の羊の腸につめること、③肉の味わいを感じてもらうためにあらびきにすること、④ほどよいスモークで薫りを引き出すことの4点にこだわった。しかも、本場ドイツと同様に、ボイルするという日本にはなかった食べ方を推奨した。
 「シャウエッセン」は、現在全国7か所の工場で生産されている。商品の特徴でもあるパリッとした食感やおいしさ実現するため、製造ラインでの重要管理項目を決め、どの工場で作っても変わらぬ味を提供している。
 「沸騰したお湯で3分間ボイルすると、ちょうど羊腸が張りつめて、かんだ時にパリッとした食感と共に肉汁があふれだしますよ」。比恵島さんは、おいしく食べるコツをこう教えてくれた。  

interview日本ハム 加工事業本部マーケティング室 比恵島裕美 さん

ドイツに何度も開発員派遣し徹底研究

開発のいきさつは

 1970年代後半から海外旅行が一般的になって、本場の味を理解する人が増えてきました。それまで日本では、ソーセージというと、魚肉を使った柔らかいものやお弁当の赤いウィンナーといったイメージでした。ハム・ソーセージのメーカーとして、本物の味を提供したいという思いから開発した商品です。ドイツに開発員を何度も派遣し、製法や味などを徹底的に研究させた。

今年で発売33年目となる

 1985年に本格ソーセージとして売り出したが、すぐには反響はなかったと聞いています。他社商品よりも価格が高かったのと、味や食感の違いを理解してもらうのに時間がかかったようです。「美味なるものには音がある!」というCMのコピーでパリッとした食感のよさをうたいました。また、スーパーなどで一本丸ごと試食をしてもらい違いを訴えました。これで人気となり、1986年にはヒット商品のひとつに選ばれ、その後、他社も同様のコンセプトのソーセージを開発し、あらびきウィンナーという市場が形成されてきました。

高いマーケットシェアを維持している

 あらびき肉を使った本格ソーセージを作ったパイオニアとして高い認知と支持をいただいたこと。さらに継続的な販促・マーケティング活動を展開していることが理由と考えます。一方で、日本は少子高齢化で胃袋自体が小さくなりつつあります。ソーセージのマーケット自体を広げる仕掛けも必要だと考えています。

新たな顧客層の掘り起こしは

 シャウエッセンを使うと料理の味が決まるという顧客からの声もあり、メインの料理として楽しんでもらえるよう料理レシピサイトと協力して新たなレシピの紹介のほか、シャウエッセンにぴったりのスープカレーなど関連商品の販売も行っています。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



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