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イトーヨーカ堂
「100番双糸使用 超・形態安定シャツ」

2017.05.27

最新記事なめらかな着心地とアイロン不要を両立

 汗ばむ季節を迎えて、職場ではジャケットを脱いでワイシャツ姿で過ごす男性も多くなる。男性にとって”戦闘服”であるワイシャツは、常に清潔でシワのないことが理想だ。今回の「これは優れモノ」は洗濯を繰り返してもシワになりにくいワイシャツを取材した。
 「アイロンがけで苦しむ主婦を解放するのが開発の目的でした」とイトーヨーカ堂紳士衣料部の塚田郷介さん(46)。
 塚田さんは紳士衣料一筋27年。ベテランのマーチャンダイザーとして、担当商品群の企画立案から商品構成、営業、広告まで包括的な責任を担う。

超・形態安定シャツ

主婦の嫌いな家事上位

 同社の調査によると、アイロンがけは、主婦の嫌いな家事の上位に入る。特にワイシャツは、間違った折り目が入りやすく、かける面も広いので時間がかかる。
 塚田さんは「ここ数年、家計支出でクリーニング代は減る傾向にあり、半数の家庭がワイシャツを自宅で洗濯し、アイロンがけを行っていると思われます」と話す。共働き家庭が増えている昨今、貴重な週末にアイロンがけにそうそう時間をかけるわけにもいかない。
 同社が、綿100%素材の「超形態安定シャツ」の開発を始めたのは2013年のこと。ノーアイロンと言われるワイシャツは1993年ごろから発売されており、これまで同社でも数多く扱ってきたという。
 しかし、ノーアイロンワイシャツの多くが、綿とポリエステルとの混紡だった。そのため、「ポリエステルが入るとシワになりにくい反面、布地がやや硬くなるので、ソフトな綿100%を望む声を多くいただきました」と塚田さん。
 綿100%の形態安定加工のシャツも存在していたが、洗濯・乾燥後にそのまま着用できるレベルにはなかなか届かなかったという。それでも同社では、着心地の良さを望む消費者の声を重視し、綿100%にこだわった。
 2年近く試行錯誤を重ねて、2015年9月に「”超”形態安定シャツ」と銘打って発売。それまでの綿100%の形態安定シャツに比べて、シワになりにくいと反響も大きかった。そして、昨年9月には、さらに改良を加えたワンランク上の「100番双糸使用 超・形態安定シャツ」をリリースした。

通常は高級シャツ用

 シャツの生地に使われる糸の太さは、番手(ばんて)という単位で表す。番手数が大きいほど糸が細くなり、より柔らかく肌触りのいい光沢感のある生地に仕上がる。普通のワイシャツでは、40~50番手の糸を使う。改良したシャツには高級番手と言われる100番手の極細の糸を使用し、さらになめらかな風合いにした。
 100番手の糸を使用する場合、強度を増すため、1本の糸を2本撚り合わせて双糸にして生地にする。この100番手双糸の生地は、通常は高級シャツで使われるもの。「高い形態安定性を加えた綿100%の生地が、ここまでなめらかなるとは想像しなかった」と塚田さん。
 自身が驚くほどのクォリティーを実現した。「着心地とアイロン不要に徹底的にこだわった自信作です」と塚田さんは胸を張った。  

interviewイトーヨーカ堂 紳士衣料部 塚田郷介 氏

50回洗濯してもシワになりにくく新品のよう

開発のいきさつは

 マーケットには形態安定を謳ったワイシャツが数多く流通している。自分も毎日ワイシャツを着るが、何度か洗濯するうちにシワになりやすくなって、アイロンがけが必要になるものも多かった。消費者もそうした点に不満を持っていると考えたのが出発点だ。

開発には時間をかけた

 他社製品を徹底的に研究した。シワになりにくい加工技術は優秀なものが開発されていた。しかしシャツに加工するとうまくいかない。試行錯誤を重ねるうちに、洗濯することで縫製部分にシワができやすいことが判明した。そこで、袖の部分やポケットの部分の縫製の際に特殊なテープを入れて補整することにした。着心地の良さにもこだわり、何回洗っても風合いが変わりにくく、着心地の良い綿100%素材とした。

超・形態安定ということだが

 通常の形態安定シャツは、10回ほど洗濯するとノーアイロンというわけにはいかなくなるものもある。超形態安定シャツは、週に約1回、1年間で50回洗濯しても、シワになりにくく、新品の様にカッチリするシャツだ。おろしたて感を保つために、襟や袖口の皮脂汚れが水だけで落ちる特別な加工も施した。

洗濯方法は

 襟や袖の周りところは皮脂汚れが付きやすいので、着用後は早めの洗濯を勧めている。ネットに入れ、15秒程度の脱水後に形を整えて干してほしい。乾燥機の使用も可能だ。

ターゲットにしている購買層は

 40~50代の層だ。さまざまな体型に対応するように全部で50サイズをそろえた。襟のタイプやカラーデザインなどもベーシックなものを中心に展開している。3900円という価格でも、他ブランドの高級シャツに負けないクオリティーとのお声もいただいている。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



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