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DNP
証明写真機「Ki-Re-i」

2017.03.11

最新記事スタジオ撮影と遜色ない仕上がり

 3月を迎えて、就職活動の準備で忙しくなる学生も多い。面接前のエントリーシートや学生証には証明写真が欠かせない。今回の「これは優れモノ」は、街角にある証明写真機を取材した。

Ki-Re-i

画像データを活用

 「写真館で撮った写真と遜色がないくらいに進化しています」と力説するのは大日本印刷(DNP)イメージングコミュニケーション事業部の大賀重信さん(41)。 カメラレンズ本体のクオリティーや、デジタル・カメラの目といわれ、人の網膜と同じ役割をするイメージセンサーの進化で、スピード写真などといわれた一昔前の証明写真機とは比べ物にならないほど画像品質が上がっている。
 「証明写真撮影では、ストロボ光が顔全体に最適に当たるようなライティングが重要です」(大賀さん)
  スタジオのカメラマンがストロボや反射板(レフ板)などに気を配るのは、顔に影が入らない自然な画像にするため。DNPの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」では、5灯のストロボをたくことで、スタジオと同条件に近づけている。 「画像処理システムの進化で、肌質や肌色を修正することが容易になりました」と大賀さんは、肌を色白できれいに見せる補正が可能になったと説明する。被写体が男性の場合は、ひげ剃り跡を目立たなくさせたり、肌の色を浅黒くさせたりして、精悍なイメージにすることもできるという。
 「以前の証明写真機では、写真をプリントする機能がメインでしたが、現在は写真データを安全に他のデバイスに移して活用する機能も必須です」
 大賀さんによると、就職活動でのエントリーシートは紙での提出ではなく、データ送信が一般的となった。そのためDNPでは撮影した写真データをその場で、無料の専用アプリの入ったスマホに保存できる仕組みを証明写真機「Ki-Re-i」に盛り込んだ。スマホに保存したデータは、後日「Ki-Re-i」に転送すれば何回もプリントができる。

社員証発行にも

 さらに「Ki-Re-i」は、写真入り身分証明書になるマイナンバーカードの交付申請でも威力を発揮している。郵送で届いたマイナンバー制度の個人番号カード交付申請書上のQRコードを「Ki-Re- i」の所定のスキャナーにかざし、ガイダンスに沿って操作・撮影するだけでカード発行の申請手続きが完了する。
 撮影した写真や本人のデータは暗号化され、マイナンバーの発行組織である地方公共団体情報システム機構に転送される。後日、各市区町村から交付通知が届き、指定された場所に本人が受け取りに行くという仕組みだ。
 このほか、企業の社員証発行でも、同様のサービスを提供している。DNPと契約した企業の社員が、最寄りの「Ki-Re- i」で撮影すると写真や本人データが当該企業に送信される。企業はそのデータをもとにDNPにカード製造・発行を依頼するというもの。

「DNPではICカード製造も行っているため、さまざまなサービス提供ができます」と大賀さんは、同社の総合力を強調した。

interview大日本印刷 イメージングコミュニケーション事業部 大賀重信 氏

活用次第で新たな社会インフラに

今事業に進出した経緯は

 デジタルカメラの画像プリントなどで使用するインクリボンや専用の印画紙の分野で、弊社は世界トップクラスのシェアを占めていた。証明写真機に欠かせないこれらの消耗品を各メーカーに提供してきたが、2006年にコニカミノルタから証明写真機事業の譲渡を受け、本格的に展開することとなった。

現在、何カ所に設置しているのか

 全国におよそ7000台を設置している。駅前やショッピングモールの中など、人が立ち寄りやすい便利な場所に置くようにしている。マイナンバーカードが直接申請できるタイプについては、2017年度までに4000台を展開する予定だ。

ICカード製造のノウハウも活用している

 弊社はクレジットカードや社員証カードなどの製造を数多く手掛けている。社員証は定期的に更新が必要だ。その都度、総務担当者などが一定の期間内に写真を撮るなど、目に見えないコストがかかっている。社員に最寄りの証明写真機で撮影してもらうことで、担当者の労力も大幅に低減できる。多くの企業から引き合いをいただいている。

海外に同様な写真機はあるのか

 国にもよるだろうが、証明写真は写真店などで撮るのが一般的。飲料の自販機もそうだが、日本のようにそのまま機械だけが置いてある国は珍しい。屋外置きで、風雨にさらされるのを前提としているので、頑丈に作っており、10年程度は耐えられるようになっている。

今後の展開などは

 証明写真機をネットワークで結べば、社員証以外にも各種証明書・申請書への対応などニーズはあると考えている。生活者の身近な場所にある証明写真機は、活用次第では新たな社会インフラとなる可能性を持っている。
 また、プロカメラマンが撮影したかのように質の高いポートレートがセルフで撮影できる記念撮影フォトブース「写Goo!(シャグー)」も開発した。背景も自由に変えられるので観光地やアミューズメント施設などでの需要を開拓していきたい。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



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