赤城乳業| これは優れモノ | フジテレビ商品研究所

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赤城乳業
アイスキャンディー「ガリガリ君」シリーズ

2017.02.25

最新記事「遊び心」忘れず開発 世代越えて愛される

 食習慣の変化や屋内環境の進化で、夏のものとされてきたアイスが冬場でも食べられるようになって久しい。今回の「これは優れモノ」は、子供から大人まで大人気のアイスを取材した。

ガリガリ君

コンビニに注目し販路開拓

 「ガリガリ君は1981年の発売です。当時は、これほどのロングセラー商品になるとは考えていなかったようです」と話すのは、赤城乳業営業本部マーケティング部部長の萩原史雄さん(46)。
 小遣いで買える50円(発売当時)という価格で、ボリューム感もあったことから子供たちの間で大人気商品となった。
ガリガリ君という商品名は、食べるとガリガリと音がするからということで、商品の生みの親である井上秀樹さん(現会長)がつけたものだ。
 日本で初めてのカップに入ったかき氷「赤城しぐれ」が大ヒットし、そこから棒状のかき氷「ガリガリ君」を発案した。ちなみに赤城乳業は、埼玉県の深谷市で食堂と製氷業を始めたのがルーツで、赤城山のある群馬県とは関係はない。
 81年当時は、大手メーカーが自社商品販売のためにスーパーや小売店に専用のショーケースを置くなど独占状態だったため、「ガリガリ君」の販路は限られていた。
 そこで、目を付けたのが黎明期にあったコンビニエンスストアだった。
 大手メーカーが力を入れていなかったコンビニへの販売を強化することで、全国区での知名度と売り上げアップを図った。「おかげさまで、現在コンビニで販売されるアイスクリームのシェアではトップです」と萩原さんは、弱点が強みに変わった経緯を説明する。

売れ過ぎはかえって警戒

 さらに2000年には、ガリガリ君の歌を作り、キャラクターデザインを外部デザイナーに委託するなど、全面的なリニューアルを行った。これがきっかけとなり、その年には販売が1億本を突破した。その後も快進撃は続き、13年には4億7千万本の売り上げを記録した。
「あまりに売れ過ぎても、翌年にその反動があったりするのでかえって警戒するんです」。04年からマーケティングを担当し、SNSでの口コミ戦略などでファン拡大を演出してきた萩原さんは、売り上げ急増の危険性を説明する。「生産が追い付かず、顧客から商品が置いていないというクレームが入ることは、メーカーにとって致命的です」
 「ガリガリ君」キャラクターの人気を受けて、さまざまな企業ともコラボを展開している。
 「スキーの後の火照った体に食べてもらおうと、旅行会社と組んでツアーを企画したこともありました」(萩原さん)
 映画「スターウォーズ」シリーズやポケモン、日本サッカー協会などとのコラボ商品も期間限定で販売。味自体も、通年販売しているソーダ味の他に、いろいろなフレーバーのものを出している。コーンポタージュ味やシチュー味などアイスとは相いれないフレーバーの商品が大ヒットした。
 萩原さんは、「これまで100種類ぐらい出していますが、商品開発では社是である遊び心を大事にしています」と話し、子供とその親、さらにその親と3世代にわたって愛され続ける秘訣を語った。

interview赤城乳業 営業本部マーケティング部部長 萩原史雄 氏

東南アジアにも進出 夢は国際ブランド化

「桔梗信玄餅」味のガリガリ君を出した

 山梨県の銘菓「桔梗信玄餅」をアイスで再現し、2月7日から全国で販売を開始した。きなこ風味の氷アイスの中に黒蜜ソースと餅菓子を入れたものだ。桔梗信玄餅を販売する桔梗屋さんの監修を受けた。アイスとお餅は相性が良くて他のメーカーも餅をからめた商品を出している。おかげさまで、今回の商品も、反響が大きく早々に売り切れてしまうかもしれない。

さまざまな種類の味がある

 ガリガリ君リッチのシリーズでは、2012~2014年に期間限定でコーンポタージュ味やシチュー味などを出した。反響が大きく、コーンポタージュ味などは再販することになったほどだ。ただ、失敗した商品もあって、ナポリタン味など全く売れず、在庫の山だった。これは痛かったが、商品企画には遊び心が大事だし、話題作りには成功したともいえる。失敗をばねに高付加価値の商品づくりを目指していきたい。

世代を越えてファンが増えている

 1981年の発売当時に子供だった世代が、親世代になって自分の子供に食べさせたりしている。昔は一人で食べていたものが、家族みんなで食べることが多くなったようだ。複数本入ったマルチパックも人気だ。実は、氷自体も製氷技術の進歩で発売当時に比べてやわらかく食べやすいものになっている。当たりつきの棒アイスというのは、ブランドの一部なので変わらず守っている。

アイス市場も拡大傾向にある

 アイスの市場規模は、現在約5000億円と言われている。10年前に比べて1500億円の伸びだ。アイスを食べる習慣が日常化してきたせいなのではないか。市場が拡大している分、競争も激しい。多くのメーカーが商品を卸しているが、コンビニで通年販売される商品はガリガリ君など5~7種類しかない。顧客の定番商品であり続けることが大事だ。 一方で、東南アジアでのブランド強化も図っている。台湾やタイに進出し、現地でのテスト販売を開始している。将来の夢だが、「ガリガリ君」をコカ・コーラのような国際ブランドに育てたいと考えている。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



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