榮川酒造 会津磐梯山の日本酒「山廃仕込 純米吟醸原酒」| これは優れモノ | フジテレビ商品研究所

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永谷園
「お茶づけ海苔」

2016.12.24

最新記事インスタント先駆け まねできない6グラム

 年末年始で忘年会・新年会が続く。ついつい飲み過ぎたり、食べ過ぎたりで、手軽であっさりした和食が恋しくなる人も多いのではないか。今回の「これは優れモノ」は、60年以上にわたり、日本の食卓で愛され続けている「お茶づけ海苔」を取材した。

お茶づけ海苔

 「お茶づけ海苔の小袋は、わずか6gの内容量ですが、さまざまな技術が詰まっています」と永谷園マーケティング部部長の小川美朋(よしとも)さん(51)。
 同社では、お茶づけ海苔のほか、ふりかけ、みそ汁など海苔を使用した食品を数多く提供している。食品によって、味や食感が変化するため、封入する海苔も使い分けているという。
 「お茶づけやお吸い物で使う海苔は、お湯をかけても形が崩れにくいパリッとしたものを使います」(小川さん)。一方で、ふりかけには、温かいご飯にかけて食べるため、口溶けがよく柔らかいものを用いる。
 海苔の出来不出来が、商品の品質を左右するとあって、同社では「海苔マイスター」と呼ばれる海苔の目利きを多数抱えている。「彼ら専門家は、11月から5月にかけて全国を飛び回り、海苔の買付を行っています」(小川さん)。
 コンビニのおにぎりなど、海苔の需要は高く、一定品質の海苔を求めて争奪戦が繰り広げられることもあるそうだ。
 「お茶づけ海苔」は、東京・愛宕下で代々、茶園を営んでいた故永谷嘉男氏(永谷園創業者)が、1952(昭和27)年に父親と共同開発した。永谷家は、江戸時代に京都の宇治で緑茶の製法を発明した永谷宗円をルーツに持つ。
 アイデアマンだった永谷は、「江戸風味お茶づけ海苔」と命名し、お茶の販売ルートを使って、瞬く間にヒット商品へと成長させた。
 小川さんによると、「当初は、食べ方がわからない客のために、実演販売も行ったそうです」(小川さん)。具の袋詰めなどは、均等になるように家族総出で、手作業で行っていた。お茶づけ海苔の味と品質は、この時代に確立したという。
「お茶づけ海苔」は、海苔、あられ、緑色の調味顆粒の3つで構成されているが、発売当時からほとんど変わらぬ黄金比を保っているという。「その中でもお湯をかけたらすぐに溶ける調味顆粒の味は、他社ではまねできない味です」(小川さん)。
 そのうえで、「おいしすぎてもいけないという創業者の言葉を忠実に守っています」と、美味はすぐに飽きられるという商品開発の難しさを説明する。飽きのこない味だからこそ60年以上にわたり愛され続けているのかもしれない。
 和食ブームの一方で、ごはん離れが進んでいる。永谷園では、全国にキッチン・カーを走らせ、消費者のアイデアで、お茶づけ海苔に他の具材もくわえるという新たなレシピも提案している。「伝統にあぐらをかかず、斬新なアイデアを加えていくことが、次の商品につながります」と小川さんは、力強く語った。

interview永谷園 マーケティング部部長 小川美朋 氏

信頼裏切らぬ商品 新たな食シーンを提案

東海道五十三次カードが復活した

 1965(昭和40)年から1997(平成9)年まで30年間にわたり、浮世絵とか海外の名画を印刷したカードをパッケージに入れていた。 以前は、商品検査を証明する印を押した無地の紙を封入していたが、これでは味気ないということで、裏に名画を印刷したカードを入れた。江戸流の粋の精神だったと思う。お客様からの復活の要望も多く、「和」が見直されていることから、この11月から文化貢献の意味もあって復活した。

ごはん離れが進んでいる

 朝ごはんに朝茶づけや、夏の暑い時期の冷やし茶づけなど、新たな食のシーンを提案している。冷やし茶づけは、調味玉が冷水でもすぐ溶けることが分かり、夏場の需要開拓のために考えた。 弊社の調査では、お子様のいる家庭では毎朝、ご飯を炊くことが多い。健康のためにも、子供にはご飯を食べさせたいと考えているようだ。手軽に、しかもある程度お腹に溜まるお茶づけの需要は根強いと思う。これからも、さまざまな提案をしていきたい。

他社ではまねできない味だ

 おかげさまで、お茶づけ海苔の分野では、8割以上のシェアを維持している。これまで「ラーメン茶づけ」など様々な味わいのお茶づけ商品を発売してきたが、定式幕(歌舞伎舞台の幕)を模した柄の入ったレギュラータイプの商品の人気が根強いという。これからも顧客の信頼を裏切らない商品提供を目指したい。

海外への展開は

 各国に輸出はしており、現地の日本人の方が中心。ごはんにお湯・お茶をかけて食べる文化は、日本ならではの食べ方なので、各地の食習慣に合わせた様々な提案をしていきたい。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



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