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パナソニック
イオン発生装置「ナノイーX」

2016.10.08

最新記事OHラジカル発生10倍、花粉除去能力2倍

 秋に入ると、夏に増殖したダニやカビが死がいや乾燥した微粒子となってアレルギーの原因物質になる。秋口には、こまめな掃除とともに空気清浄機の活用も有効だ。今回の「これは優れモノ」は、さまざまな花粉や部屋にしみついたニオイ、PM2.5などの有害物質を抑制する空気清浄機を取材した。

ナノイーX

 「日本人の4人に一人が花粉症といわれています」とパナソニックスモールアプライアンス商品部の西村奈津実さん(26)は商品開発の背景を説明する。
 同社の調査では空気清浄機の購入理由の第一位は花粉の除去。9月15日から発売した新型の加湿空気清浄機では、「花粉撃退」の機能を強化した。パナソニックでは、「ナノイー」という除菌・抗ウィルスイオンを発生する装置を独自に開発。この技術は、自社の空気清浄機やエアコンなどのほか、乗用車やJR車両の空調でも使われている。
 ナノイーは、ナノテクノロジー=1億分の1メートルという単位での超微細技術と、エレクトリックのeを掛け合わせパナソニックの造語。空気中の水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの微粒子イオンを指す。
 この水でできた微粒子の中に、さまざまな物質に作用しやすいOHラジカル(高反応成分)を含んでいる。「OHラジカルはダニのふんや死がい、花粉などさまざまなアレルギー物質と分子レベルで結びつき、これらを抑制する効果が確認されています」と西村さん。ナノイーの効果性について、実証データを基に解説した。
 世界初のナノイー技術を搭載した空気清浄機は2003年に発売された。この時のナノイーには、1秒間に4,800億個のOHラジカルの発生量があった。OHラジカルの発生量が多ければ、その分、空気清浄能力は上がる。
 高まる空気清浄ニーズに応えて今年誕生したのが「ナノイーX」だ。これまでの10倍、1秒間に4兆8000億個のOHラジカルを発生するという。 西村さんは「ナノイーXを搭載した新機種は、日本全国12種類の花粉に対応するほか、しみついたタバコ臭も10倍速く脱臭します」と有害物質の除去や脱臭・除菌の効果を強調した。
 清浄した空気をこれまでの1方向から2方向に流すことで、花粉の多い床上の吸引をスムーズに行えるようにもした。従来品に比べ、約2倍の花粉除去性能だという。
 名古屋大学と共同開発した0.3マイクロメートルの粒子までとらえる高感度ハウスダストセンサーを搭載し、さまざまな汚れを検知する。
 西村さんは「人の動きを検知するセンサーもつけることで、事前にほこりが舞い上がることを予想し、先回りして集塵運転を始める機能もついています」と話している。

interviewパナソニック スモールアプライアンス商品部 西村奈津実 氏

床上30センチの位置でパワフル吸引

製品発表後の反響は

 8月に商品発表を行ったが、販売店やバイヤーからの反響が大きかった。弊社独自のナノイー技術は、自動車メーカーや鉄道会社でも採用されるなど定評がある。その技術がさらに進化したということで、消費者からの期待が見込まれたようだ。今年の業界全体の空気清浄機の出荷台数は215万台程度を予想している。買い替えや買い増し需要が大きくなっている。

主な販売対象は

 本商品は花粉除去にこだわった。お困りのお客さまにぜひお勧めしたい。花粉は床上30センチにとどまりがちだ。ここをパワフルに吸引するので、床上ですごすことの多い小さな赤ん坊のいる家庭でも人気だ。加湿機能も付いているので、インフルエンザ対策でも有効だと考えている。

さまざまな花粉に対応するとしているが

花粉というとスギやヒノキを連想するが、例えば北海道には、スギがほとんど存在しないようだ。その代わりにシラカバ花粉症などが多い。地域によって種類が違う花粉にも、全国レベルで対応できる。
 ハウスダストやニオイを検知するセンサーを5つ搭載している。花粉やダストを検知すると、それらがたまりやすい床上30㌢の位置で吸引力を集中させる。また、ニオイを検知すると、パネルやルーバーが自動で動き出し、ニオイの除去に適した動きをする。

困難だった点は

 より多くの花粉を除去する新たな気流を生むための作り込みには苦労した。フィンやルーバーの角度の見極めなどに時間をかけたことで、これまでのものより約2倍の花粉除去性能向上を実現できた。

海外での販売などは

 空気清浄機については、中東や中国などで販売している。今回の新商品については国内中心での展開を考えている。日本モデルは花粉・ハウスダストにこだわりを置いているが、海外モデルは国ごとのニーズに合わせて展開している。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



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