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ダイキン工業
ルームエアコン「うるさら7(セブン)」

2016.7.9

最新記事気流に着目 効率的な冷暖房可能に

 最近の猛暑では、部屋の中で安静にしていても熱中症になるケースもある。予防には、こまめな水分補給とエアコンの適切な使用が効果的だ。しかし、冷たい風が体を冷やすので、エアコンを敬遠する人もいる。今回の「これは優れモノ」は、風が直接体に当たらない新型のエアコンを取材した。

ルームエアコン「うるさら7」

 「今年は猛暑の予報なので、エアコン需要が伸びると思います」とダイキン工業空調営業本部の谷内邦治さん(48)。 日本国内の家庭用エアコンの出荷台数はここ5年間、年平均800万台強で推移している(日本冷凍空調工業会)。
 谷内さんによると、国内市場では、日本独特の気候から、消費者がきめ細かな温度・湿度調整を求めており、10社ほどの日本メーカーが様々な機能で、しのぎを削っている。
 米国ではビルなどでダクトを使って空調された空気を各部屋に供給するシステムが、一般家庭でも使われている。これに対して、日本では部屋ごとに室内機を設置して、細かく制御する方式が一般的。日本で年間800万台強の需要がある理由も、各部屋に置かれた室内機の更新需要があるためだ。
 「エアコンに高い省エネ機能が求められる日本では、効率的に冷やすための気流に注目が集まっている」(谷内さん)。空調には温度、湿度、清浄、気流の4要素があるといわれ、これまで各メーカーは、最初の3要素に重点を置き、商品開発をしてきた。
 ダイキン工業では数年前から、他社が手を付けなかった気流にいち早く着目。最近は、センサーで人を感知して、ピンポイントで人に風を当てる方式などが、多くのメーカーで採用されているが、2015年10月に発売した「うるさら7(セブン)」は、天井に沿って冷気を吹き出し、部屋全体を効率よく冷やす方式を採用している。これだと、風が体に直接当たることも避けられる。
 室内温度35℃の14畳の部屋をこれまでの約半分の7分で、設定温度の26℃までむらなく冷やすことができるという。
 「冷気は上から下に向かうので冷房時は天井に沿って吹き出す必要がある一方、暖気はその反対なのでそれぞれの風向きの角度の設定では苦労しました」(谷内さん)
 暖房時に斜め下向きに暖気を出すと、直接体にあたってしまう。そこで、室内機の吹き出し口から真下に向かって、壁と床に沿いながら暖気が流れる垂直気流を考えついた。暖気流は、床面に這うように流れるため足元から部屋全体を暖められる。
 「従来の方式では、暖かさを維持するためにエアコンの吹き出し温度を高めにする必要がありましたが、壁と床に沿って足元から暖める垂直気流の吹き出し温度は低めで済みます」と谷内さんは話す。

interviewダイキン工業 空調営業本部 谷内邦治氏

湿度も制御 最上位機種はリビング向けで人気

いつ頃から気流に着目したのか

 もともと気流は重要なものだと考えていたが、2012年にエアコンの構造自体から見直した。気流を制御することで夏でも冬でも素早く部屋全体を設定温度にする方式にたどり着いた。気流の工夫に加えて、新商品では湿度制御にもこだわっている。冷房運転の際に、これまでのエアコンでは、設定温度になった後で蒸し暑さを感じることもあった。これは、冷房運転を弱めることが原因だったが、新機種では除湿機能を上げることで、温度だけでなく湿度も保つ。

販売現場での消費者の声は

 気流で部屋全体を冷暖房する方式の良さが理解されている。省エネで経済産業大臣賞を受賞した最上位機種のRシリーズは、リビングなどに設置するモデルとして人気だ。また、購入にあたっては、電気代などのランニングコストを気にする人も多い。設置する部屋によって、より電気代が少なく済む上位機種と価格が安い機種を買い分けしている。主婦層は購入時にエアコンフィルターの自動掃除機能の有無で選ぶことが多い。

エアコンのメンテナンスでアドバイスなどは

 自動フィルター掃除機能がついているものでは、日々のこまめなメンテナンスなどは不要だ。ただし、経年の汚れなどによってにおいが気になるときなどは、必要に応じて販売店やメーカーに相談してもらい、洗浄サービスの利用を勧めている。

海外での需要は

 中国や東南アジアは成長が著しい重要マーケットであり、弊社製品の人気も高い。また、ヨーロッパやオセアニアでも販売しており、堅調だ。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



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