17

コロナ
衣類乾燥除湿機「CD-S6316」

2016.6.11

最新記事スリムな本体と「ささやき声」の静音性

 入梅の時期を迎えた。洗濯物が乾きにくくなったり、湿気でカビが生えやすくなったりと日常生活に不便を感じる人も多いのではないか。今回の「これは優れモノ」は、衣類や部屋の乾燥に威力を発揮する衣類乾燥除湿機を取材した。

衣類乾燥除湿機「CD-S6316」

通年利用者が増加

 「東北地方など雪国では、湿気の多い冬場こそが除湿機の活躍する季節なのです」と新潟県三条市に本社を置くコロナ ライフエレクトロニクス・グループの西片誠さん(42)。新潟などでは雪がちらつき始める時期から、洗濯物を家の中で干すことが多く、除湿機が欠かせないという。
 一方の関東など雪の少ない地域では、6月の中旬から7月初旬に除湿機需要のピークを迎える。このため、かつては、この時期を過ぎると、東北地方向けの販促を強化していたが、近年はこの流れが変化しつつある。
 「除湿機を通年で利用するご家庭が増えています」(西片さん)。タワーマンションなどで、洗濯物の外干しができなかったり、共働きで夜間にしか洗濯ができなかったりする世帯が増えているのではと、西片さんは見ている。
 洗濯機での乾燥は電気代がかかるし、乾くのに時間もかかる。また、マンションの北側など日の当たらない部屋は、湿気がたまりやすいため、除湿機が活用されているというのだ。
 日本冷凍空調工業会の統計データによると、除湿機の出荷台数は年ごとにばらつきがあるものの、毎年70万台前後の需要がある。2011年は、新潟・福島豪雨、台風第12号と台風第15号など、記録的な大雨で、81万台を超えた。

一番の売れ筋に

 ところで、除湿機には、コンプレッサー式とゼオライト式の2つの方式がある。
 コロナでは、前者の方式を採用している。コンプレッサーを通して冷媒(フロンガス)を循環させ、蒸発器で湿った空気を冷やして湿気を水滴にするというもの。除湿力が大きく、電気代も安くすむ半面、コンプレッサーがあるため、やや振動音が出るのと、本体自体が大きくなる。
 ゼオライト式は、水分の吸着性能に優れたゼオライト(乾燥剤)で水分を取り除くというもの。コンプレッサーがないため、音が静かでサイズもコンパクトですむ半面、ヒーターにより消費電力が大きくなり、部屋の温度が上がる。
 一長一短があるわけだが、今年2月に新発売したコンプレッサー式の衣類乾燥除湿機「CD-S6316」は、新たな金型でスリムなデザインに一新した。
 「衣類乾燥の能力を上げて、コンプレッサー音を36デシベルほどに抑えました」と西片さん。約2キロの洗濯物を99分で乾かす能力を持ち、音の大きさは郊外の深夜やささやき声程度だという。
 西片さんは「おかげさまで、全国の家電量販店販売データによると、一番の売れ筋になっています」と話している。

interviewコロナ ライフエレクトロニクス・グループ 西片 誠さん

ターゲットに合わせ開発の中心メンバーを女性に

売れ行き好調の理由は

 女性をターゲットにして、スリム型のデザインに一新したことと、値段的にも手ごろな点が受けていると考えている。消費電力が200ワットと小さく、1時間当たりの電気代も約6円ですむ。ランニングコストの良さも売りにしている。

商品開発での工夫は

 この商品の開発では、20代の女性を開発の中心メンバーに加えた。デザインをスリムにしたり、女性が持ち運びしやすいように、両手で握れる固定式の取っ手にしたりと、男性エンジニアでは、見落とすような細かな点にも気を配った。デザインがスリムになっても、水を貯めるタンク容量は3リットルと大きくして、水捨ての回数を少なくするなどの利便性も向上させた。
 販売店の声を生かしつつ、クォリティーの部分で妥協できないポイントでの調整に苦労した。

販売戦略は

 大手家電量販店、大手スーパー、ホームセンター向けなどに製品を提供している。各チャネルでニーズも違うため、価格や機能で差別化をしている。品質や安全性にこだわり、製造は国内で行っている。こうした姿勢が徐々に浸透し、除湿機などの分野では、価格競争の面でもトップブランドと互角の競争をしている。

海外戦略は

 弊社は、顧客最優先主義でマーケットニーズを重視している。自社の身の丈にあった状態で、そのマーケットにあった最良の商品を提供したいと考えている。そこで重要なのは、地元の製造にかかわる人々やその関係者が顧客でもあるという点だ。国内マーケットを中心に展開を考えている。

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ



f