11

ACRO
自然派化粧品「THREE」

2016.3.12

最新記事海外マーケット視野にブランド戦略

 中国人観光客による「爆買い」では、日本人にはおなじみの医薬品や化粧品などが人気のアイテムになっている。日本製品の安全性やクオリティーの高さが魅力のようだ。今回の「これは優れモノ10+ 件」は、海外マーケットを視野に入れた日本発の化粧品ブランドを取材した。

原料にこだわり

 「『THREE』(スリー)は、2009年に日本発の国際的な化粧品ブランドを目指して立ち上げたものです」とACRO(アクロ)取締役事業開発部長の宮崎稔章(みやざき・としあき)さん(45)。
 大手百貨店の化粧品売り場には50近いブランドがひしめいていて、中でも欧米系ブランドの存在感は際立っているという。ACROは、化粧品会社ポーラ・オルビスホールディングスのマルチブランド戦略の一環として2008年に設立された。当初から、国内だけでなく海外マーケットを視野に入れたブランド戦略を展開している。
 化粧品は、化粧水やクレンジングオイルなどのスキンケア商品とファンデーションやアイシャドーなどのメーキャップ商品に大別される。新たな化粧品ブランドを投入する場合、ブランドコンセプトを明確にするためにどちらかの商品群を先行発売し、ブランドの定着を図っていくのが一般的だ。
 「THREEでは、最初からフルラインで展開し、徹底的に自然原料にこだわったスキンケアとモード(流行)なメーキャップの両方を発売しました」(宮崎さん)

来月にはマレーシア出店

 この方法が、ナチュラルにこだわりつつも、流行にも敏感な女性の心をつかんだ。国内の売り上げは、14年と15年の2年連続で前年比150%増を記録した。
 化粧品は「情緒的消耗品」(宮崎さん)で、香りや色など人種や気候によっても好みが分かれる。しかし、世界の都市はボーダーレス化が進み、価値観の共通化が進んでいる。
 商品開発にあたっては、ニューヨークの著名なメーキャップアーティストに色の開発を依頼。さまざまな人種のモデルを対象にテストしたところ、どの人種にもマッチする色も確実にあることが分かったという。
 これらを通じて、海外マーケット進出にも自信を深め、タイ、台湾、インドネシアに続き4月にはマレーシアにも出店する予定だ。
 日本発の自然派化粧品という安心感が支持されているという。日本の国花である桜をテーマにした春限定のコレクションも、日本発売(3月14日)に先駆け、3日からタイや台湾で先行販売し、アジア地域全体でのプレゼンス拡大を狙っている。

interviewACRO 取締役事業開発部長・宮崎稔章氏

本物志向の30代前半ターゲット

「THREE」の意味は

「文字通り、数字の3を表している。3という数字は、創造をもたらす数字といわれている。ナチュラルに徹したスキンケア商品と流行にこだわったメーキャップ商品という2つの異なった概念から3番目の新しいものが生まれるというコンセプトを象徴するブランドネームでもある」

ターゲットとする年齢層は

「ブランドのコンセプトが、ナチュラルで流行にも敏感ということから、本質的なことにこだわる、本物志向の人がターゲットになると考えた。販売現場からの報告などでは、30代前半がボリュームゾーンだ」

原料にこだわっている

「スキンケア商品については、原料の精油、植物油、油脂、エキスなどに日本産を中心に、海外の厳選された原料も使う。われわれが持っている天然原料の処方化技術をさらに磨くことで、どのマーケットでも受け入れられる自然派化粧品が作れると考えている」

国内と海外、販売の軸足はどちら

「世界ブランドを目標に両方に軸足を置いている。現在国内では、百貨店を中心に33店舗を展開しているが、これらの販売チャンネルをさらに充実、拡大していく。海外においても、アジアでの足場を固めた上で、欧米での展開も視野に入れている」

国内の少子高齢化の影響は

「われわれは、美と健康にかかわる事業展開をしている。年齢や性別にかかわりなく、健康で美しくいられるための、エイジレス商品の開発などにも注力したい」

フジサンケイ ビジネスアイ掲載記事・これは優れモノ
f